塗り絵をめぐる冒険

いち美術ファンによる、「目指せ、塗り絵上手!」な試行錯誤あれこれ。

【夏のレビュー企画】『心を整える、花々のマンダラぬりえ』

 こんにちは~。
 今日から、前回の予告通り、連続・塗り絵本レビュー企画をお届けしたいと思います。
 どんな順番で書こうか…と少し迷った結果、レビューや作例の少ない本から書くことにしました。
 という訳で、今日は掲題の本『心を整える、花々のマンダラぬりえ』について書きます。

■基本的なこと

 
原書"Flower Mandalas"は2015年に英国で上梓されました(と、奥付けに書いてある)。
 本記事で取り上げるのは、その日本語版になります。

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『心を整える花々のマンダラぬりえ』
著者:シンシア・エマリー
発行元:日本文芸社
初版発行日:2016年2月29日

◇特色◇
・片面印刷
・塗り方ガイドあり ※7ページ
・インデックスあり
・付録なし
・作品数:40
・作品のジャンル:模様系

 私が持っている本は2017年5月発行の第9版なので、日本でもそれなりに売れたのかもしれません。

■出会いと付き合い

 本書のことは、新宿駅近くの某大型老舗書店の売り場で知りました。
 その場で一目惚れして即レジへ…という訳ではなく、迷った挙げ句に買いました。
 購入の決め手は、片面印刷という一事に尽きます。
 水彩色鉛筆や万年筆インクを気がねなく水で溶いて使う際に裏抜けを気にしないで済むので、すべての塗り絵本が片面印刷だったらいいのに…と思う程、私は片面印刷推奨派です(^^;

 絵柄については、「反発なく塗れるけれども、熱狂的に好きになることはない」程度の評価で、これは現在でもあまり変わりません。

 しかし、40点の線画すべてがマンダラ様という事実には、「飽きっぽい私では早々に投げ出すかも…」という不安が拭えませんでした(購入を迷った理由も、そこにありました)。
 
 馴染みのない方向けに一応説明すると、塗り絵本に出てくる「マンダラ」とは、同心円状の対称形に事物や描線を配置した図案の形式と言えるようです。
 ポイントは、「円形」かつ「対称」であること。
 よって必然的に、画面の中心以外に描かれるパーツは、最少でも同じ物が左右に1個ずつ存在します。
 このような形状の線画に着彩する場合、左右ほぼ同じ絵柄を塗ることになります。
 飽きるのでは…と心配したのは、そういう理由でした。

 結論から言うと、実際に本書に手を出してから、購入前の不安は半分だけ当たりました。
 そう、マンダラは飽きます(当社比)。
 そこで、外出時に携行し、ちょっとした空き時間に進めるようにしました。5分10分といった短い待ち時間など、飽きる前に中断するパターンが最適な気がします。
 ちなみに、風雅の場合、この進め方で、作品1点につき2週間~1カ月程度かかっています。

■ずばり、どんな塗り絵か

 さて、肝心の中身はどんなものか、が気になるところですね。まずは、塗りかけのページの写真をどうぞ↓。

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 このように、直線・曲線・円といった抽象的な線の枠組みに、花や枝葉といった植物を対称的にあしらったものが、どのページにも描かれています。
 10人中8人が好感を抱きそうな、その代わりに熱狂的なファンも少なそうな、アクの少ない画風ですね。塗り絵向きな気がします♪
 描線は黒く、太さは0.5~1mm程度。
 本書の線画は見事に『塗り絵仕様』になっていて、描線に曖昧なところが殆どありません。塗っている最中に「これはどのパーツなのかな」とか「前後の位置関係が矛盾してないか?」とか惑わずに済むのは有り難い限りです。
 多少の立体感はあるものの具体的ではなく、象徴的な図案に仕上がっています。

 次に、好相性の画材についてですが。
 まず、巻頭の塗り方指南の中で、色鉛筆やペンなど、先の細い画材が適している旨が明記されています。
 実際に風雅が試した限りでは、油性色鉛筆・サインペン(トンボ社のプレイカラーK)・水彩色鉛筆が快適に使えました。水彩色鉛筆の場合は、乾いた芯先で塗ってから水を含んだ筆でなぞる使い方で試しています。
 万年筆やそのインクもよく発色しますが、下のページに移る危険性が高いので、下に要らない冊子を敷く等の対策をしたほうがいいかもしれません。

 本書にどんな塗り方が合うのかは、あまり真剣に考えた事がありません(^^;
 時々、Instagramで同系色の濃淡で美しく仕上げた作品を見かけるので、同系色は1つの成功パターンかと思います。

 風雅の場合は、外出中に塗る為、構えずに、ほぼベタ塗りで進めています。
 配色は行き当たりばったりですが、意外な2~3色の組合せを試してみるケースが多いかもしれません。線画がしっかりしているお蔭で、こんな適当なやり方でも塗れば意外と収まりが着きます(笑)

 そう考えると、割と懐の深い塗り絵帳なのかもしれませんね~♪

■作品例
 
 実際に塗った例として、これまで塗ったページを何点かお目にかけたいと思います。
 

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画材:色鉛筆とカラーペン(重ねない塗り)

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画材:油性色鉛筆

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画材:油性色鉛筆

 3つ目の作品は本書で最初に塗ったもので、開始後しばらくグラデーションなどに挑んだ名残が、花の色などに見られます(^^; なお、想像つくと思いますが早々に飽きてしまい、凝った塗り方は頓挫しました。

■おわりに

 ここまで本書の中身と風雅の体験談をご紹介してきました。レビューの終わりに、風雅個人の感想を簡単に付け加えておきます。

・好きか ★★★★★☆☆☆☆☆「普通」
・良いか ★★★★★★★☆☆☆「良い」
・使い勝手★★★★★★★★☆☆
・達成感 ★★★★★☆☆☆☆☆「普通」
・推奨度 ★★★★★★☆☆☆☆

 推奨度、つまりお薦め出来るか否かは、「人によってはオススメ」程度です。どういう人にか、と言いますと、「何も考えずに、枠線の中を塗っていけば良い作品になる塗り絵がしたい」という方。
風雅自身の経験で、『考える』行為そのものを一度止めたいのに止められない…という時に本書を塗った事があり、うまくリセットできました。以来、本書の実際的な効用とはそういう部分にあるのかな…と感じています。

 以上、初めての塗り絵帳レビューをしてみたのですが、いかがでしたでしょうか?
 次回もまた別の本のレビューをお届けする予定です。よろしければまたお付き合いください。
 それでは、今日はこの辺りで(^o^)/