塗り絵をめぐる冒険

いち美術ファンによる、「目指せ、塗り絵上手!」な試行錯誤あれこれ。

【夏のレビュー企画】『"かわいい"の魔法にかかる夢色プリンセス塗り絵』

 こんにちは~♪
夏のレビュー企画第2回は、たけいみきさんの『"かわいい"の魔法にかかる夢色プリンセス塗り絵』(河出書房新社)について書いてみたいと思います。

■基本的なこと

『"かわいい"の魔法にかかる夢色プリンセス塗り絵』


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著者:たけいみき
初版発行日:2016年11月30日

◇特色◇

・両面刷り
・塗り方ガイドあり ※6ページ分
 インデックスなし
・付録:ミニカード型の塗り絵
・作品のジャンル:主に童話系
・作品数:44

 なお、作品数は風雅自身で数えたものです。見開きで1点と見なすか左右別々の作品と見なすか、解釈が分かれそうなページもありましたので、目安程度に参考にして下さい。

■出会いと付き合い

 塗り絵を始めた時、最初に買った塗り絵本です。
書店で様々な本を比較検討した後に、購入しました。
 選んだ理由は、主に3つ:
・童話ネタ →配色をイメージしやすい
・塗る対象が多岐にわたる →飽きない
・細かくない絵柄 →塗りやすそう
…とにかく、取っつき易さ重視でした。
かつ、人物・動物・小物など様々な物を塗ることで、自分の得手不得手や興味も明確になるだろうという狙いがありました。
 実際に塗り始めても、初期から手を着けやすかったと記憶しています。

 ページごとに対象物も雰囲気も異なる為、現在、この本については概ね次の方針で進めています:
 ・好みの線画→出来る限り素敵に仕上げる
 ・好みでない線画→新しい画材や技法を試す

 つまり、風雅個人にとっては、『気軽に塗れる本』という位置づけになるかと思います(*^^*)
 
■ズバリ、どんな塗り絵か

 作者のたけいみきさんは人気のあるイラストレーターなので、ご存じの方も多いと思います。
 人物は端整で可愛いらしく、西洋のお姫様でも割と東洋的な顔立ちをしています。
 各線画は、たけいさんワールド全開というべき、独特の雰囲気があります。ハート❤やキラキラ✨が多くて、フリルやリボンに満ちている世界。
 「夢のある…」と言われそうな画風ですが、ファンシー系の可愛さが苦手な向きには、ちょっと好みに合わないかも(^^;
 かく言う風雅自身も、線画を見て
「これはスウィート過ぎでは(^o^;)?」
と困惑することがけっこうあります。

 内容に関してもう1点特筆するべきは、後半に十二星座をテーマにした連作が描かれていることです。思い入れをもって塗れるよう、工夫が見えますね。
 星座シリーズもかなりファンシーですが、蟹座や蠍座水瓶座など、珍しいモチーフなので、楽しく塗れました♪

 前節でも述べたとおり、本書で塗るものの種類は、人物・動物・花・果物・衣服・小物・宝石・調度品など、多岐にわたります。
 大きな特徴としては、王子さまも含めて、成人男性は出てきません!
 例えば、最初の線画を開くと、眠れる美女を優しく見守るのは、なんとお馬さんですw

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 王子さまの馬?将を射んと欲すればすなわちその馬を射よ、なる格言もありますが、馬に王子の代理を求めるのは大胆過ぎる気も(^^; 

 また、プリンセス塗り絵と銘打っていますが、けっこう庶民女子も幅をきかせています。
 偽装表示?看板に偽りアリ?
 そう思いましたが、緒言に作者のモットーが書かれていました。
曰く、『すべての女の子はお姫様』と。
 「…ハア、そうですか」
としか言葉が出てきませんが、この定義なら、庶民の女の子がゾロゾロいても理に敵っていますね。
 所謂"おひめさまぬり絵"的なものを想像していると、ちょっとした肩透かし感を覚えると思います。

 線画のあり方は、現実感よりテーマを重視したイラスト、という印象です。
 絵画ほど厳密な遠近感や立体感が線画にない為、遠近法や陰影を意識し過ぎずに塗れます。
 書店で「この本なら初心者でもいけそうp(^^)q」と思えたのは、恐らくその点に由来するのかな、と今は思います。

 その半面、描線が抜けていたり、構図が不自然に見えたりする箇所もあり、線画の完成度には疑問が残りました。

ちなみに、本書の描線は黒く、かなり細めです。デジタル画像に特徴的なギザギザ感が、人によっては気になるかも(^^;

 画材については、巻頭の塗り方ガイドにて、色鉛筆主体で補助的にメタリックペンを使う方法が紹介されています。
 風雅もメタリックのペンを試してみましたが、あまり活用できた気がしません。センスが要求される印象でした。
 紙は、ケント紙に似た手触りをしていますが、あまりよく分かりません。
 油性色鉛筆、水彩色鉛筆、サインペンで塗れますが、水彩色鉛筆で水をふんだんに使うと、乾いてもたわみます。その状態で裏面にサインペンを使った時は、危うく滲みそうになりました。
 どうやら、両面とも紙に負担がかかる塗り方は控えたほうが無難そうです。


■塗ってみた例

 ここで、本書の着色例を挙げておきます(風雅が塗ったものばかりであまり参考にならないかもしれませんが…)。

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かぐや姫(部分)。
画材:水彩色鉛筆。

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ラプンツェル(部分)。
画材:油性色鉛筆。

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蠍座
画材:水彩色鉛筆。

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付録のミニカード。
画材:油性色鉛筆。

■おわりに

 今回も、まとめ代わりの簡単な感想コーナーで締め括って参ります。

・好きか★★★★☆☆☆☆☆☆「やや敬遠」
・良いか★★★★★☆☆☆☆☆「普通」
・使い勝手★★★★★☆☆☆☆☆「普通」
・達成感★★★★★★★☆☆☆「割とある」
・推奨度★★★★★★★☆☆☆

 好きでもないのに人に薦めるのか、とツッコミが入りそうですね(^^;
 ただ、色々なものが塗れるとか、手を着けやすいという価値は確実にあると感じているので、その種のメリットを求める方には自信をもってお薦めと言えます(^ー^)

 やや敬遠気味の線画を風雅がどのように楽しんでいるのかは、いずれ当ブログで取り上げる機会もあるかと思います。
 まだしばらくは暑さとレビューが続きますが、よかったらまたお付き合いください。
 それでは、また(*^ー^)ノ♪