塗り絵をめぐる冒険

いち美術ファンによる、「目指せ、塗り絵上手!」な試行錯誤あれこれ。まったり気ままな塗り絵ブログ。

【制作の記録】夾纈羅幡残欠、染める気分で塗る文様 その1

 こんばんは。

 最近、『ぬりえ天平文様 たまゆら』所収の「夾纈羅幡残欠」を塗り進めています。

 "色辞典"に親しみつつ天平文様に耽溺もしようという欲張りな試みなのですが、久々に制作レポートなど記してみようかと思い立ちました。

 よかったらお付き合いください(^_^)f:id:white_fuga:20190119130554j:image

 

■作品名解題

 この「夾纈羅幡残欠」なる作品名は「きょうけちらのばんざんけつ」と読むようです。

 「夾纈」は、版木を使って文様を染める技法です。

 「羅」は薄い布地の一種で、「幡」は仏教寺院などで目印として掲げられる物を指します。

 そして末尾に「残欠」とあるので、完品ではなく断片だということ。

 つまり、『夾纈技法で文様を染め出した薄い布製の"幡"の現存部分』と解せます。

 

 耳馴れない用語ばかり並べてすみません。

 塗り絵絡みのポイントは、2点です:

①ネタ元の宝物が布であること。

②文様が夾纈で染め出されていること。

 こういった情報を踏まえ、古代の色や意匠を適度に取り入れつつ、まっ更な長方形の一枚布を染める気分で、今回は塗りました。

 

■地塗り

 という訳で、まずは地の部分です。

 地は、着色見本に倣って縦長の長方形に整えました。

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 上段に三菱880色鉛筆のうすべにいろ(36)、中段に色辞典の子鹿色(LG-1 fawn)、下段に三菱880色鉛筆のこいあかむらさき(35)と並べています。
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 色を3色のグラデーションにしたのは、

「"アジアの布"っぽさが出るかも?」

という思いつきによるもの。

 エスニック屋で見かけるスカーフ等、天然素材の布が複数の地色で染め分けられているのを不意に思い出したのです。

 布の地色を夾纈で多色に染め分けるのは非常に困難だったと考えられるので、この配色は塗り絵ならではのアレンジかと思います(^^♪

 

■文様塗りの基本方針と記録用アイテム

 地の部分を一通り塗ったあとで、文様部分を塗る基本方針を決めました。

色辞典36色セレクトセットのみ使用

②左右対称

③葉は中央を明るく、両端を暗く

④配色については攻める

 

 ①と④は色辞典セレクトセットの可能性を量る上でも必須の方針です。

 まとまる範囲で多彩にしたいと思い、各部の使用色をメモすることにしました↓。

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 これは100均でアイディア構築用のメモ用紙として売っていたものです。

 色やコンセプトをメモするのに使えそうだったので、今回試してみることにしました。

 

 画像は、制作中の書きかけの状態です。

 左側の列は地色の記録に使いました。

 真ん中と右の列には、文様各部の花の色などを書き付けています。

 

 ここから文様各部の話に移りたいところですが、細かくなりそうなので、次回に持ち越します。

 よかったらまた遊びにきてください。

 

【追記】

 作品名解題の章は、何をどう書けば分かりやすくなるか悩んだ挙句、最も簡略化した説明を目指してみました。もし補足説明をご希望でしたら、コメント欄かInstagramのDMで不明点をお寄せ下さい。