こんばんは(^o^)
近作:「ブルガリア民族衣装」☟制作の記録です。よかったらお付き合いください。
■線画と画材
出典は、河出書房新社刊行の「大人の塗り絵」シリーズの奥田みき『大人の塗り絵 ヨーロッパの民族衣装編』です☟。
この本より「ブルガリア」の線画☟を油性色鉛筆のみで塗りました。
ブルガリアは加工用の薔薇の一大生産地で、"薔薇の谷"と呼ばれる地方では、収穫期に薔薇祭りが開かれるのです。
この線画に描かれた衣装は、その薔薇祭りの衣装とのこと。
原画は夢見るように淡く優しい色合いで描かれていますが、前にも書いたように清らか過ぎて落ち着きません💦
また、ヨーロッパの民族衣装における原色使いの魅力も体感したい一方で、原画手本や資料の色づかいをそのまま写すのでは面白くない。
色々考えた結果、以下3つの方針を立てました:
・衣装は、ブルガリア周辺のどこかにあっても違和感がない色合いで塗る
・人物は、コーカソイド(ヨーロッパ人)らしく描写する
・くっきりと写実志向で塗る
・薔薇祭りのイメージを大事にする
要するに、民俗色を打ち出していく方向を目指したということです。
■下調べ
ということで、まずはブルガリアの薔薇祭りや民族衣装の画像を探してイメージを固めることから始めます。
特に、人間の顔立ち(の傾向)と衣装によく使われる色や素材に注目しました。
数十枚の画像を見比べた結果、ブルガリア人の顔立ちは非常に多様ながら、①東洋人よりも眼窩がぐっと窪んだメリハリのある顔立ちで、②肌の色は「白人」という言葉から連想するほどは薄くもなく、③若い女性には健康的で自然な色気があるーーという傾向が浮かび上がりました。
衣装のほうは、『ブラウス=白』は規定かと思うほど支配的な傾向で、他には黒か赤が地色として好まれるようです。
刺繍などのワンポイントで使われる色は、緑、黄、橙、ピンク、紫といった原色が多い印象を受けました。
また、薔薇祭りの衣装は、様々な形があることも分かりました。原画に描かれた衣装は、スタンダードではなく、多様な衣装の一形態に過ぎない印象を抱きました。
そして、忘れてはならないのが、現地で生産される薔薇のこと。
ブルガリアで生産されるのは、ダマスクローズと呼ばれる種類の薔薇で、これは主に上品なローズピンクをしているようです。
このダマスクローズのイメージで、ピンク色をメインカラーと定めました。
■顔
これでようやく塗り絵開始です(笑)。
本作では顔から手を着けました。
アーチストカラーを何本か使って通常の肌塗りをしたものの、原画の清らかな顔立ちが反映されて気になります。
「もっと濃い顔立ちにしたい!」
という訳で、目元に色を入れました。
上下のアイラインをなぞり、まつ毛を描き込み、眉は少し眉山を上に移して描きます。
瞳は、エキゾチックな雰囲気を出したかった為、青にしました。
これでヨーロッパ人らしく見えるでしょうか?
初日は、ここで一段落。
唇は服の色を決めてから塗ることにします。
■ブラウスとワンピースの下塗り
顔に次いで、面積の広い箇所の下塗りをしました。
下調べの時に印象が強かった色を思い出しながら、好みも取り入れて配色します。
最初に「エプロンは黒」と決めました。
すると、同様によく使われる赤色がワンピースに収まることになります。
ブラウスは白が"規定路線"ですが、
「生成りの色なら許されるかな…」
とくすんだ黄色にしました。
そして早速、ブラウスとワンピースを下塗りします。
但しエプロンは後回しです。黒色を早めに塗ってしまうと、うっかり擦れてしまった時に修復が困難なので、黒色で広い面積を塗るのはなるべく後半にしています。
服の次はベールです。
特産のダマスクローズを連想させるよう
に、ピンク色で下塗りしました。
使用色はアーチストカラーのモーヴ(434)です☟。
ついでに、ベールと合う赤紫色で唇を塗りました(これで顔部分はほぼ完成♪)。
更に、籠を下塗りし、ブラウスとエプロンのアクセントとなるテープ部分だけを塗りました。
■背景の下半分
人物のシルエットが何となく定まってきたので、背景も下塗りを始めました。
薔薇の畑をイメージして下半分は緑色にしました。
上半分は水色っぽくするか黄色っぽくするか迷ったので、塗らずに保留としました。
■中断
ここまできたところで、他の作品の制作に労力を傾ける成り行きとなり、暫らく中断しました。
という訳で、本記事もここで一区切りとしたいと思います。
再開から完成に至る経緯については、後編で記します。
それでは、また〜(^^)/