塗り絵をめぐる冒険

いち美術ファンによる、「目指せ、塗り絵上手!」な試行錯誤あれこれ。まったり気ままな塗り絵ブログ。

【雑談】千葉で日本画、お江戸で浮世絵。

 こんばんは♪

 今回は、企画展巡りの話です。

 この週末、美術館への初詣でをしました♪そのついでに実家にも寄りました。

 

■1/11 千葉

 初日はどこへ行ったかと言うと、千葉県は千葉港近くの千葉県立美術館。ここで開かれている後藤純男展を観て来ました。

f:id:white_fuga:20200112105613j:image

 後藤純男は千葉県出身の日本画家です。

恐らくその縁でこの回顧展が当地で開かれることになったのかと思われます。

 風雅はずっと名前位しか知らなかったのですが、TVでちらりと作品を観て

「こんなにいい絵を描く人だったの⁉」

と驚き、本展への遠征を敢行しました。

 

 土曜日の午後だというのに、会場は空いていました\(^o^)/。

 客層は定年退職前後世代の夫婦連れが多かったように思います。一人で来ている人も友達同士で来ている人も、総じて高めの年齢層でした。

 幸いにして騒がしい団体客がおらず、なかなか心地よく鑑賞できました。

 

 山や滝、沙漠、峡谷など、この画家の作品は大画面でこそ見応えがある画題が多いように感じます。

 実際、大画面の作品が数多く出ており、それぞれに引き込まれました。

 あまり大きな余白を作らず、近景・中景・遠景とモチーフを盛り込む画風の為か、後藤純男画伯の大作はある程度距離を空けて観るのが適していると思います。

 その意味でこの画家の回顧展をするには手狭な展示室もありました。大作は広々とした所で観たいものです^_^;。

 1984年の『雲晴れる灕江』という作品が殊に印象に残りました。

 これは峻険な峡谷を蛇行しつつ流れる夜の川を描いた作品です。大画面を見つめていると、絵の向こうからひょっこり小舟が現れるのではないかと錯覚するほど、岩山にも木々にも質量感がありました。

f:id:white_fuga:20200112193031j:image

 幸いにして物販コーナーで絵ハガキ(↑)があり、観覧の記念に買ってきました♪。

 閉館は16:30です。

 ギリギリまで粘り、慌ただしく会場を後にしました。

 

f:id:white_fuga:20200112193524j:image

 その後、近くの千葉港に立ち寄りました。

 特筆すべきものは何もない港ですが、海の眺めには癒やしを感じます。

 日没直後の空を暫し見つめ、同じ千葉市内の実家に向かいました。

 

■1/11-12 実家

 実家では、スケッチをして過ごしました。

 絵を描いていると両親が構わずに放っておいてくれるので、

「話題がないな……💦」

と思った時も楽に過ごせます(笑)。

 色鉛筆のペンケースは持ってましたが、画用紙を忘れたせいで、レポート用紙やメモ用紙の裏に描くハメになりました。

 レポート用紙は薄く、少し滑る感触がして色鉛筆画には向かないようです…💦。

 花瓶に活けてあったセンリョウを描いてみたのですが、着色し終わりませんでした☟。
f:id:white_fuga:20200112194343j:image

 思いがけない収穫は実家の近くに大きな文具店が開業していたこと♪。

 コピックマーカーや色鉛筆といった画材もあり、値引き率も高かったので、色々買ってきてしまいました☟。

f:id:white_fuga:20200113094604j:image

 

■1/12 有楽町

 何とも微妙な帰省を済ませ、都内の住処に戻る途中、2ヶ所寄り道をしました。

 その1ヶ所めは、東京国際フォーラム

 1/15までの期間限定で万葉集の梅花の宴や『源氏物語』の蹴鞠場面の復元展示が行われているのです。

「平安装束を立体的に見るチャンス!」

と食い付いたのは言うまでもありません。

f:id:white_fuga:20200112195821j:image

上のような等身大の復元衣装展示と、雛人形程の大きさの人形たちを配した場面展示とがありました。

f:id:white_fuga:20200112200342j:image

 何分にも古代のことですから、復元展示をそのまま鵜呑みにする訳にはいきませんが、平安装束の塗り絵をする上で非常に参考になることは間違いありません。

 美しい装束自体も魅力的で、楽しい時間を過ごせました。

 

■1/12 原宿

 古代の装束に大満足した後、有楽町からメトロの千代田線に乗り、明治神宮前で下車。

 浮世絵専門の美術館:太田記念美術館で肉筆浮世絵名品展を観て来ました。

f:id:white_fuga:20200112203918j:image

 第一の目玉は、葛飾応為の代表作である『吉原格子先の図』(展覧会ポスターの左上側にこの作品の左半分が使われています)。

 格子から洩れる遊廓の灯りに、まるで誘蛾灯に群がる虫たちのように吸い寄せられる人々と、それをあしらう遊女のシルエットが鮮烈です。

 明暗の対比がとにかく美しい絵でした。

 

 他の出展作品は描き手も画題も様々でしたが、美人画が多かったと記憶しています。

 風景画では、日光の滝を描いた広重の三連作が印象に残りました。

 

 ところで、肉筆浮世絵は1点もので希少価値が高いせいか、掛け軸に仕立てられた状態で展示されています。

 軸装も多様で面白いのですが、1点、

「この布地は琉球紅型じゃなかろうか?」

と思った例がありました。

 絵の保存状態に比べて布地の褪色が激しかった為、

「着古した貴重な着物の再利用だったのかなぁ…」

と空想してしまいました。

 業界関係者でも目利きでもないので真偽は検証できませんが、こういう"あってもおかしくない過去"を想像するのが風雅は好きです。

 

 以上、美術展初詣での報告でした。

 西洋の絵画展も各地で開催されているのに、今回は和ものばかりでしたねー。

 2020年も、面白くて塗り絵・お絵描きの参考になりそうな展覧会へ行くことがあれば、レポートしたいと考えています。

 よかったらまたお付き合いください。

 それでは、また〜(^^)/