連投ですみません💦
直前の記事で予告した通り、森田 春代『大人の塗り絵 美人画編』所載の『想い』制作過程を記していきます。
今回の作品には原画があります。
本の表紙になっている日本画です(↓)。
ご覧の通り、気品と仄かな色気に秋の風情が漂う、何とも魅力的な美人画。
『原画のような日本画ふうの塗り方で、好きな色で塗る』
このテーマで挑戦したいと思います。
原画を見ながら塗るのも初めてなのですが……厳密な模写は技術的にも性格的にも実現不可能なので、原画への敬意を損なわない範囲でアレンジします。
■画材
主に水彩色鉛筆を使います。
※本記事では水彩色鉛筆の銘柄を以下の略号で記します:
・(A):アルブレヒト・デューラー
・(K):カラト
・(P):プリズマロ
・(U)三菱ユニ ウォーターカラー
(本記事でよく出てくるプリズマロの4色↓)
背景などに水彩色鉛筆以外の画材も動員しています。そちらは制作開始時点では使う予定がなかったので、現段階では、『初期装備は水彩色鉛筆のみだった』と思っておいてください。
■制作開始~着物から塗る~
さて、今回手を着ける時点ではテーマと画材以外、何も決めていませんでした。
こういう時は面積の広いところから。
ということで、着物の地の部分(原画の灰緑色で塗ってある部分)を乾いた(A)119 ライトマジェンタで塗りました。
続いて、その中で陰になっているところに乾いた(P)090を重ねます。
次に、着物の地で一部色が異なっている部分(原画では薄紫色の部分)を乾いた(P)110で塗りました。
ここまで塗った時点で、下の画像のようになりました↓。
普通の色鉛筆と同じように塗りましたが、紙に少し凹凸がある為か、ザラザラした質感に見えます。
ここで水筆の出番。着物の地の部分をなぞって絵の具を溶かします。
次いで、「模様部分の差し色に緑はどうかな」と思い、試しに蝶の翅などに乾いた水彩色鉛筆で着色し始めました。
しかし、着物の地色が"水浸しになったのを乾かしました"感満点で気になってきます。
おそらく、水の量が多かったのでしょう(←頻繁にやらかす事例)💦
早々に模様を塗るのは中断し、着物の地に戻ります。
紙が乾いているのを確かめてから、乾いた(A)119 と(P)110でそれぞれの地色部分に塗り重ねます。
着物の地がマットになってきてから、ライトマジェンタの地色で陰となる部分に、乾いた(P)090を重ね、線際には(P)100も加えます。
……これで、いくらか修正できたかも?
ちょうど集中力も切れかかってきたので、乾いた(P)229(深緑色)で半襟を塗り、(P)031で顔の下塗りをしました↓。
ここで一区切りとなりました。
■着物の襟・袖・帯
再開時は、長襦袢の襟の地と袖から塗りました。首元と腕先に覗く部分です。
襟の地色は(P)111。
袖は(P)051を全体に塗り、(P)050でうっすら陰を付けました。
また、帯の地も塗り始めます。
これは渋めの緑色にしました。秋の常緑樹のイメージで、(P)249で塗っています。
帯上げはクリーム色にしたかったので、明るい黄色:(P)240を薄く塗ったあとに白色:(P)001を重ねました。
なお、ここで述べた4種類の部分は、『全て乾いた芯先で塗る→水筆でなぞって溶かす』という工程で着色しています。
(帯、帯上げ、長襦袢の袖拡大図↓)
こうして着物と帯の大部に色が着くと、胴体部分の基調色は、明らかにピンクと緑になっていました。
「背景の楓は赤、橙、黄色といった色合いになるのに、バランス取れるかな?」
と一抹の懸念が浮かびますが、ギリギリを攻めてこその"冒険"ですから、このまま突き進むことにします。
ちなみに、着物と帯の模様は、見た目の印象を微調整する余地として、少しずつ塗り進めることにしました。
ともあれ、人物の胴体に目処が立ったところで、本記事は終わりとします。
次回は、余白だらけの背景を中心に書いていきたいと思います。
ぜひまたお付き合いください(^o^)/