塗り絵をめぐる冒険

いち美術ファンによる、「目指せ、塗り絵上手!」な試行錯誤あれこれ。まったり気ままな塗り絵ブログ。

『夢色プリンセス塗り絵』完成作品ギャラリー③

 こんばんは♪

 本記事では、『夢色プリンセス塗り絵』で既に完成させた作品を3点掲載します。

 この本は早くに始めたこともあり、塗り終わっているページも結構あるのですが、あまり真面目に記録で管理出来ていません💦

 そういう事情で、掲載順はランダムになります(^^;

 

■刺繍をする少女 ※画材:油性色鉛筆。

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(部分↓)
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 刺繍をしている少女の図です。

 この線画に着手した頃は動物の塗り絵が続いていた為か、ドレスと髪を塗るのが物凄く楽しかったのが印象に残っています。

 ドレスのデザインが甘~い雰囲気なので、甘さを抑えたくて寒色で塗りました。ドレス周りの花を紫系にしたのも同じ意図によります。塗り絵だと、自分の趣味に合わせて調節できるのが便利ですね(*^^*)

 

■妖精の人形 ※画材:油性色鉛筆。

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 塗り絵を始めて間もない頃に、水色・紫・灰色の3本で塗ってみようと手を着けたページです。

 はっきり言って、無謀な試みでした💦

 途中で嫌気が差してほぼ放置していましたが、ある日「とりあえず最後まで塗ろう」と思い立ち、何とか完成させました。

 色数を増やしたり、大幅に塗り直したりしたとはいえ、今見ても微妙な出来で、さっさと閉じたくなるページです(^^;

 

おとめ座 ※画材:水彩色鉛筆。
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 星座のおとめ座というより、乙女が描かれた線画だと思って塗りました。

 純真な乙女が邪悪な魔女に変貌するのを象徴的に表現したいと構想(妄想?)し、左右を塗り分けてみたものです。

 宵の口の麦畑とか、夕暮れ時の雲とか、イメージはあるのに着色できない対象物が多すぎて、悪戦苦闘しました💦

 結果的に構想内容が重すぎて、到底表現しきれませんでしたが、水彩色鉛筆で空の表現等の練習が出来たので、いい経験になったと思います。

 

 以上、3点の完成作品をご覧に入れました。線画の主題は異なるものの、割と自分の趣味をはっきり出した作品ばかり集まってますね(^o^;)

 余談ですが、この塗り絵本では現在、油性色鉛筆で「獅子座」を進行中です。完成した暁には本ブログで報告しますね(*^^*)

 

 それでは、今夜はこの辺りで。

 よかったら、次回もお付き合いください(^o^)/

季節の塗り絵~ハロウィン 準備編~

 こんばんは。

 10月も半ばを過ぎ、いよいよハロウィン🎃が近づいてきましたね。

 風雅は仮装や飾り付けをする予定はありませんが、今年はハロウィン絡みの塗り絵で参加した気分になれるかも、とこっそり期待しています。

 そういう訳で、現在何点か制作中。

 近況報告をかねて、進んだところまで載せてみたいと思います(*^^*)

 

■『心ときめく四季のワルツ』より、「ハロウィンの街」のページ(※画材:油性色鉛筆)

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 石畳に階段に城壁と、ヨーロッパの旧市街のような路地裏。夕方の初め頃をイメージして塗り進めています。

 コウモリが飛んでいるから夜でもいいのかもしれませんが、祭りの夜の様子を塗って再現する技術が足りない為、夕方くらいで頑張ることにしました(^o^;)

 現時点では、線画に不可解な線が入っている部分をどう塗るか思案しています。

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問題の箇所は、上の画像で、色鉛筆が指している縦方向の線です。石材を組んで迫持(アーチ)を形成しているので、ここには本来、横線が入るのが自然かと思うのですが(^^;

 また、壺や小卓の配色が悩みどころです。

 

 なお、今回は、このポストカードの"表"側も色を着けてみました(※画材:油性色鉛筆)。

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 "裏"側に先立ち、カボチャの手慣らしに塗ったもので、これだけは完成しています。

 

■Something is rotten……!

~"Escape to Shakespeare's World"より

(※画材:水彩色鉛筆)

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 画中の引用句からすると、旗などはデンマーク国旗の色で塗るべきところなのでしょうが、骸骨がお誂え向きと思われた為、ハロウィンのテーマカラーで塗っています♪

 ほぼ悪ノリですね~。

 お気楽に進めています♪

 ただ、骨を白っぽいグレーで塗っても手応えがないのが悩ましいところ💦💦骸骨を禍々しく仕上げるのは、意外と骨が折れるのかもしれません(^o^;)

 

 現在進めているのは上の2点です。

 10/31までに完成させ、余裕があれば更に1点くらいは完成させたいものですが、首尾はどうなるやら分かりません💦

 ハロウィンの前後に本ブログで完成作品を披露することを目標に、あと10日程頑張ってみたいと思います♪

 

 それでは、今夜はこの辺りで(^o^)/

 

"Nightfall"完成作品ギャラリー①

 こんばんは。

 この記事ではMaria Trolle女史の塗り絵本(洋書)、"Nightfall"の完成作品を載せたいと思います。

 「あれ、このブログでその題名を見たことなかったけど……」と思われた方、記憶違いではありません。

 ごく最近、買いました(*´σー`)エヘヘ

 どうやら"塗り絵本欲しい欲しい病"ウィルスが活性化しているようで、このところ新刊ラッシュなのです(^^;

 そして、「買ったからには塗ってみないと!」と、早速塗り始めました♪

 という訳で、完成作品をご覧に入れたいと思います:

 

①菊科とおぼしき花
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 キク科のような外観の花と蝶。種類はよく分かりません💦元から黒い背景のページです。油性色鉛筆で塗りました。

 黒背景のページは、普通の白い背景のページと勝手が違うこともあり、色加減がややぎこちなくなってしまいました💦

 

②花とキノコwith謎の生命体


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 これも詳細不明の花・蝶・キノコです。

更に正体不明なのが、空中に浮かぶ謎の生命体(^^; これは植物の精…でしょうか?

 画材は油性色鉛筆ですが、生命体は非現実的な存在なので、ミックス色鉛筆を使ってみました。

 背景は、少々ポップ路線で水玉散らし🎶

水玉はフリーハンドなので、どれも多少歪んでいます。ここも別色のミックス色鉛筆を使って塗りました(該当部分拡大画像↓)。


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 現時点の完成作品は、以上の2点のみです。

 この本は、割と快調に塗れる印象なので、また折を見てギャラリー記事を投稿していきたいと思います(*^^*)

 

 それでは、また(^o^)/

【夏のレビュー企画】『平安王朝絵巻ぬりえbook』

 こんばんは♪

 このところの気温低下でうっかり風邪を引いてしまった風雅です。皆さまはお元気にお過ごしでしょうか?

 さて、すっかり季節外れとなった"夏の"レビュー企画、最終回は『平安王朝絵巻ぬりえbook』を取り上げます。 

 

■基本的なこと

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著者:鈴木 淳子

発行元:ディスカヴァー・トゥエンティワン

発行日:2016年4月15日

 

◇特色◇

・両面印刷

・装束・塗り方ガイドあり ※10ページ分

・インデックスなし

・付録なし

・巻末解説あり ※3ページ分

・作品数:65点 ※解釈により変動

・ジャンル:童話系、風俗画系、服飾系

※『童話系=童話・神話伝承・古典等、特定の物語を主題にしたもの』と定義しています。

 

 『源氏物語』などを題材にした塗り絵本は風雅が知る限りでも何冊か出ているのですが、この本はなぜか都心の大型書店でしか見かけたことがありません💦

  

■出会いと付き合い

 昨年末に新宿の老舗書店で知り、今年の5月初め頃に別の大型書店で買いました。

 手始めに端午の節句のページをゴールデンウィーク後半をほぼ費やして塗りました(その時の記録は、本ブログで既にまとめたことがあります)。

 以後は、あまり進んでいません(^^;

 線画を眺めてはどうやって塗ろうかと構想…というか、妄想し続けている状態なので、関心は変わらず高いのですが。もう少し慣れて、自分の中に"平安スイッチ"が出来るまでは、本書の進行はカタツムリモードになりそうな予感💦💦

 ただ、素敵な本なので、妥協せずじっくりと塗り進めるつもりです(*^^*)

 

■ズバリ、どんな塗り絵か

 本書には、『源氏物語』『伊勢物語』など王朝文学の場面や平安時代の習俗・装束などが描かれています。

 本の形が極端に横長という特徴がありますが、これはタイトルにもある通り、絵巻物ふうの画面構成を意識した為と思われます。

 中身を少し見てみますと………

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上のように、斜め上から室内を描いた、絵巻に倣った構図が散見されます。

 また、空間を分ける際に扇面を用いたり、端に様式化された雲を描いたりと、和の絵画伝統を活かした工夫もなされています。

 一方で、絵柄は少女漫画風。

 人物の多くは、細面ですっきりしたシルエットで描かれています。

 どういう訳か鼻筋しか描かれていない女性も少なくないのですが、美女っぽい雰囲気が出ているだけにこれは個人的に少々残念(^^; (美女の顔をじっくり塗り込むのも、大人の塗り絵の楽しみだと思うのですよー…)

 王朝文学にもとづく線画は、『源氏物語』が最多数を占めます。まぁ、質量ともに平安時代を代表する文学作品ですからね……。『伊勢物語』『竹取物語』『枕草子』『和泉式部日記』などは数点ずつでした。

 他に、節句などの季節行事を描いた線画、装束や文様を描いた線画があります。

 一言で総括すれば『平安時代と王朝文学のきらきらしいところが詰め込まれた塗り絵本』となるでしょうか。

 

 なお、本書のセールスポイントは、有職故実の専門家による監修のもとに、平安時代の風物を『忠実に再現』した点のようです(←表紙に誇らしげに書いてある(笑))。

 といっても、実状が分かっていない事が多々あると当の監修者が述べている以上、『忠実に再現=現段階で可能な考証と通説に反しない』程度で理解しておくのが妥当かもしれません。

 装束については、巻頭で十二単の着方が載っていて、塗る時に非常に参考になります。ただ、本書で装束が1つのポイントになってもいる点を考慮すると、もう少し細部や素材についての解説が充実してもいいのではないかと感じました。

 「男子の装束で、太刀はどのように提げているのか?」とか、「冬物の着物に裏地は付いていたのか?」とか、塗り始めると気になることが次々と出てくるのです……(^o^;)

 巻末の解説のほうは、作品や背景事情の簡単な説明となっていました。

 この部分が、どういう訳か曲水の宴のページまでしか解説がなく、後ろのほうに出ている線画については一言もありません💦別の本屋で中身を見ても同じページで終わっていたので、落丁ではなさそうですが、編集方針に謎が残ります(^^;

 ともあれ、本書を眺めていると、平安時代の風俗は、現代とはかけ離れた感覚・生活習慣・人生観によって構築されている事がよく分かります。

 現状、気軽に塗れる気は全くしません(笑)

特に初めのうちは、色々調べたり確認したりしながら塗らざるを得ず、まとまった時間と気合が要りそう。

 その一方で、文学作品を踏まえた線画などは、読んだイメージを投影して塗れるので、取っつきやすく感じます。

 

 塗り絵本としての機能面は、線画自体がよく出来ている一方で、本の形状から来る物足りなさも感じられます。

 描線は黒。輪郭線がもっとも太く、陰影や模様の線はより細くなる傾向があります。

 いずれも丁寧な線で描かれ、細部まで概ね明瞭で、塗り絵用の線画として塗りやすく感じられます。

 その半面、ノドの部分を水平に開ききれないのは非常に残念です。線画が絵巻物っぽいテイストを加味しているだけに、見開きページなどが水平に開けると、絵巻物感が増すのに…と(^o^;)

 紙は、多少凹凸のある白い紙で、油性色鉛筆で塗る分にはストレスを感じません。

 しかし、和風の線画ですから水彩や顔彩、墨なども使いたくなってくると思うのですが、意外と薄くて、その種の画材を選ぶには心許なく感じるかもしれません。

 風雅自身は、

「この本で裏抜けしたら泣くわー」

と思い、水彩色鉛筆で塗るのを諦めました(泣) こういう絵柄は片面印刷で仕立てて欲しい、と切実に感じます💦💦

 

 こうしてまとめると、この本は企画と出来上がりが噛み合っておらず、ちぐはぐな一面があるようですね(^^;

 平安王朝文化を題材にするとか、絵巻物のテイストを加えるとか、専門家に監修を依頼している点は意欲的で、線画の出来も上々。

 その一方で、解説が一部だけ省かれていたり、本の形状が塗りにくさを感じさせたりと、企画を満たさないどころか阻害しているのは、遺憾としか言えません💦

 文句を言っても紙が厚くなる訳ではないので、読者のほうが工夫するか折り合うしかないと分かってはいますが……今回はレビューなので、使い勝手に不足がある点も指摘しておきたいと思います(^o^;)

 

■着色例

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画材:油性色鉛筆。

※以前に制作の記録を書いた作品です。

 

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画材:油性色鉛筆。

※まだ未完成ですが、男性の装束の下塗りに茶色のミックス色鉛筆を使ってみたので、参考になればと思い、載せました。

 

■終わりに

 恒例の感想コーナーです。

・好きか ★★★★★★★★★★

・良いか ★★★★★★★★★☆

・使い勝手 ★★★★★★☆☆☆☆

・達成感 ★★★★★★★★★☆

・オススメ度 ★★★★★★★★★☆

 この感想、フランクな言葉で表すと、

「内容は抜群に素敵だし、達成感もあるから、塗ってみて!私も大好きなの!」

となります。

 高評価の理由は、企画に独創性があり、画面に情熱が感じられる為です。端的に、著者が「平安王朝文化、だーい好き❤」なのでしょう。「平安王朝文化の美しさを塗って楽しんで欲しい!」と思っているのが、線画を眺めているだけでも伝わってきます。

 人間、好きな物の魅力を誰かに語ろうと思った時は、説明を分かりやすくしたり、美味しいお茶菓子を用意したりと、もてなしを工夫するもの。本書も1点1点が丁寧で明瞭に描かれているのは、平安王朝文化への愛情からくる、おもてなし精神の顕れではないかと感じました(*^^*)

 

■夏のレビュー企画の終わりに

 本記事で、夏のレビュー企画シリーズは終わりとなります。

 本シリーズを書くまで気が付かなかったのですが、どうやら風雅は"本"と名のつくものに妥協が出来ない人間だったようです。毎度変なスイッチが入り、暴走気味のレビュー企画でしたが、1行でも読者様の参考になっていれば嬉しく思います(*^^*)

 次回のテーマは未定ですが、よかったらまたお付き合いください。

 それでは、今回はこの辺りで(^o^)/" 

【雑談】新着アイテムあれこれ~虹色鉛筆、ミックス色鉛筆、『たまゆら』~

 こんばんは。

 今回は気軽な新着アイテムのご紹介です。

新着と言いつつ、8月半ば以降に入手したものの一部なので、まったりムードで(笑)、書き進めてまいります。

 

■虹色鉛筆

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 名前の通り、芯に7色の顔料が合わさっているミックス色鉛筆です。

 単独で塗ると下のようになります↓。

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 自然なグラデーションが出来るのが面白い半面、何色から何色へのグラデーションにするかコントロールが難しい、"パルプンテ"なアイテム(笑)。
 風雅は模様系の線画に多用しています。

(着色例)

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 模様に使うと、部分的に無秩序感が出せて、塗っていて楽しく感じます。

 但し、7色も使われている為、不用意に重ね塗りすると"闇色"めいた暗い色になります。

 虹の彼方には闇……含蓄がありますね(笑)

 
コクヨ製ミックス色鉛筆 

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 虹色鉛筆で「ミックス色鉛筆って面白い!」と感じたので、虹色よりは芯色が少ないミックス色鉛筆のセットを買ってしまいました。

 このセットはどれも色味が鮮やかで、塗っていてウキウキしてきます(*^^*)

 ただ、小さなお友だちが使うのを想定して開発されたらしく、軸が太くて細かい塗り絵には使いにくいという難点も…💦

 大きなお友だち向けに軸を細く長く改良したバージョンを出してくれないかなぁ、と切実に感じます(コクヨさん、是非前向きに検討願います(^人^))。

 専用ブレンダーは無さそうなので、プリズマカラーのブレンダーペンシルも同時に買いました(上の画像にも映り込んでいます)。追い追い試してみたいと考えています。

 

(着色例)

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※左上と右下の組紐に使用。

 

■『ぬりえ天平文様 たまゆら

 9月半ば、文様塗り絵の本を1冊買いました。藤野千代『ぬりえ天平文様 たまゆら』という本です。


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 実は、『ぬりえ天平文様』は、正倉院の宝物から起こした文様を載せたシリーズです。購入店の棚には他に4種類ありました。

 この本は、ほぼ衝動買い。

 奈良旅行を目前に控え、何となく"天平"という文字を見るだけで気分が高揚していた時期で、財布の紐が緩みました(^^;

 

 購入後、早速1枚試し塗りを開始。

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 細かいので小まめに色鉛筆を尖らせるのが面倒なものの、厚めのベタ塗りでもそれなりに仕上がるのがありがたいところ。

 なお、模様部分の背景は、先に紹介したミックス色鉛筆です。背景に塗ったらどんなふうになるのかと思っていましたが、期待した程の躍動感は出せませんでした(^^;

 そんな計算違いがあっても、正倉院御物の文様を塗る時間は幸せです。

 実は風雅、天平美術が大好きなのです。

 この時代の美術はユーラシア大陸の影響が色濃く、形も色彩もエキゾチック。加えて悠揚迫らぬ気品があります(人間で喩えれば、民族衣装を纏った外国の王族のイメージ)。

 本書に収載された文様も、形が洗練されている分、けっこう大胆な配色でも合いそうな印象を受けました。

これからも

天平美術、半端ないって~❤」

などと呟きながら、楽しく塗っていきたいと思います。

 

 以上、今回は3種類の新着アイテムに触れました。今後の記事でも登場するかと予想されますので、よかったらご注目下さい。

 

それでは、今日はこのあたりで(^o^)/

【夏のレビュー企画】『幸せのメヌエット』後編

 こんばんは~。
 暫く間が空いてしまってすみません💦

 実は、前回記事を投稿した翌日から、奈良県に旅行に行っていました。
 東大寺大仏の前での野外歌舞伎、法隆寺五重塔興福寺の阿修羅像等々、濃密な数日間でした…が。
 帰宅後、燃え尽き症候群がひどく、1週間近くぼーっとしていました(^^;
 昨日、ようやく塗り絵を再開。
 ブログも、相変わらずマイペースですが、続けていきたいと思います(*^^*)
 
 今回の記事は、前回の続き。
『幸せのメヌエット』のレビュー後編となります。
 
■ズバリ、どんな塗り絵か

 本書は、動物たちを主体とする風俗画ふうのイラストを中心に構成されています。
 同じ著者の『森が奏でるラプソディー』の続編と位置づけられるようですが、明確な筋立てはなく、動物たちの誕生・成長・青春がスナップショットのように連ねられています。
 描線の色は、黒。
 線がよれたり、途中で太さが変わったり、一部なぞり直した気配があったりと、やや滑らかさに欠ける傾向がありますが、そうした特徴で塗りにくくなっているとは感じられません。
 むしろ、手描きのような味わいがあり、いい意味での個性が出ています。
 収載の線画は、概ね3つのタイプに分類できます:
①着衣の動物
②着衣なしの動物
③前後する線画の主題に関わる静物

 全体にデフォルメが少なく、①②とも動物の描き方にはあまり差異はありません。混在する場合もあります。
 但し、①のほうが、構図的に人間臭さが強く出る傾向が感じられます。
 敢えてレッテルを貼れば、①は『とてもファンシーな鳥獣戯画❤』となるでしょうか。
 ②は、木や草花を背景にしている作品が大半を占めています(風雅は、このタイプが一番好きです)。
 ③は動物ではなく「モノ」が主題です。

 例として未完成のページを①~③の順に挙げてみます↓

・①の例
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・②の例

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・③の例
 ※隣のページが上掲の①の例.

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 一見するだけで、圧倒的なデッサン力が見て取れますね。加えて、動物には表情があり、静物にも趣が感じられます。
 本書全体の雰囲気として、押しつけがましくない可愛さがあると思います。
 線画に写実性があり、モチーフも折り重なっている為、塗る時には立体感や質感を出す必要がありそう。
 そこそこ難易度はありですが、
「フルカラーだったら、もっと可愛くなるだろうなぁ……( 〃▽〃)」
と思うと、塗る意欲が湧くのも事実。
 これが塗り絵本として好評を博す理由かな、と頷けました。
 惜しむらくは、動物や小物に比べ、建物や馬車などの出来が一段落ちる点でしょうか。恐らく、大きくて複雑な構造物を描くのが苦手なのだと思われます。

 ちなみに、風雅が本書で一番難しく感じたのは、動物の顔でした。
 動物を塗る時の基本として、
「毛並みを描き込むように塗ろう」
と言われますが、実際のところ、毛並みだけ意識しても塗れません(^^;
 扁平ではなく立体的な存在の為、毛流れを描きつつ、光が当たる部分と暗くなる部分を塗り分ける必要が出てきます。
 動物の顔は部分毎に毛の色が細かく分かれる上、凹凸がある為、画像を見つつでもややこしい……(^o^;)
 身近に動物がいないので、様々な角度からの画像を見比べつつ塗っています。

 そういう具合で本書を塗り進め、4つの作品を完成させた時点であれば、本章もこのまま終わっていたでしょう。
 その時まで、風雅は
「動物難しいよ~。試練のメヌエット~」
と喘ぎつつも、苦労に値する本を塗っていると充実感を感じていました。

 5つ目の作品は、
「本命の前に、モモンガも1度塗っておきたい」
と考え、本書で初の見開きページに挑戦することにしました。それが、森のオールスターのページ↓でした。

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 この見開きページは、
『森の中、画面右で、奥に家がある一本道を頭巾のウサギが歩いていく姿を、画面のそこかしこに散らばる動物たちが見つめている』
という風景画の構図になっています。
 ただ、手を着ける段階で
「どうにも、まとまりにくい線画だ…」
という印象がありました。
 また、天道虫や蝶が大きすぎるとか、一軒家の奥に位置する草の花茎が見えないとか、奇妙な点もありました。
 そのあたりは『メルヒェン』なる魔法の言葉で自分を宥めていたものの、ある時、拭えない違和感に手を止めました。

「あれ、このパーツさっきも塗った…」

 それは、画面右端の鹿の隣に植わる丸い葉っぱの群生でした↓。

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 よく見ると、左の画面にも同形かつ同寸法の群生が2つ見受けられました↓。


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 まさか、と思って画面全体を隈無く眺めわたすと、同様の例が5組見つかりました(うち1組は、左右反転)。
 対称形の図像ならともかく、風景画では同形かつ同寸法のパーツが存在するのは不自然と言わざるを得ません。
 特に、すぐ上に上げた2つの群生は、倒木を挟んでほぼ前後に位置する為、同じ大きさでは遠近感も狂います。
 そうまでしてパーツの使い回しをして、何がしたかったのか。

「手抜きか……Orz」

 それ以外に考えられず、手酷く裏切られた気持ちになりました(イラストレーターが自分の作品で手を抜くのは、ファンに対する最大の裏切りだろう、と思います)。
 それまで一途に尊敬していただけに、怒りと失望で言葉も出ません。
 このショックで、数日間はこのページを塗る気がしませんでした。

 「元々まとまらないと思っていたことだし、投げ出そうかな」と迷いましたが、この本には『モモンガのページを塗る』という至上命題が控えていました。
 このページを中止することで本書に悪いイメージだけを抱いたままではいけない、と思い直し、改めて本書を開いてみました。
 その結果、分かったこと:
・複数のパーツを個別に描き、その組合せで各ページの線画を構成している
・左右反転含め、対称形の画面以外での不自然なパーツ使い回しが見られる
・パーツ同士の組合せをした為に、本来見える位置にあるはずの輪郭線が消失している場合がある
・パーツ同士の組合せの結果、遠近感が狂う場合がある
 …以上を一言でまとめると、『本書はパーツ同士を組合せて線画を構成しているが、その結果生じる様々な矛盾を放置している』と言えます。
 私が引っかかりを覚えた「森のオールスターズ」は、恐らく、そうした特徴が顕著に出たページだったのでしょう。
 個人的には、パーツ同士を合成することで1枚の線画を完成させること自体は否定しません。よくある手法だと見ています。
 しかし、不自然なパーツの組合せ方で線画の出来を劣化させる怖れがある場合、最大限の努力をしてそれを防いで欲しいと期待してしまいます。
 まして、手抜き目的と思われかねないパーツの使い回しをするのは、塗り絵をする読者を軽く見ているというか、失礼であると思います。
 という訳で、本としての完成度も著者の人間性も残念な塗り絵本だと見なすに至った訳ですが、開けば以前と同じように「可愛い❤」と感じるのも事実。
 かくて本書を許容することも否定しきることも出来ず、複雑な心境です…💦
 ただ、人間同士でも時に『性根はダメだと軽蔑しているけれど、話していて面白い友人』ができるのですから、本書とも、この二律背反な感情を抱きつつ付き合っていくことが出来るのではないか、と最近は考えています。

 なお、本書の紙は、『海の楽園』などに比べると、だいぶ薄い気がします。ページを光に透かすと、裏面の描線がくっきり見える程度です。
 1度だけ水彩色鉛筆を使った時は、「水分を抑えないと…」と気疲れしました。
 以後はもっぱら油性の色鉛筆を使っています。油性色鉛筆で塗る限りでは、ツルツルし過ぎておらず、快適に塗れる印象です。

■終わりに

 いつもはこのコーナーで恒例の★評価をしていますが、現段階では冷静に判断できない為、差し控えます(楽しみにして下さっていたら、すみません)。
 ここまで長々とお読み頂き、本当にありがとうございました。
 気がつけば、もうすっかり秋ですね。
 季節外れも甚だしい"夏のレビュー企画"ですが、あと1冊分、頑張ります。
 また、通常の塗り絵体験談もお伝えしていければと思っているので、よかったらまた、お付き合いください。
 それでは、お休みなさい(*^▽^)/★*☆♪

【夏のレビュー企画】『幸せのメヌエット』前編

 こんにちは♪

 待ちに待った三連休ですね(*^^*)

 今回は『幸せのメヌエット』のレビューですが、長くなりそうなので前後編に分け、ひとまず前編だけお届けしたいと思います。

 

■基本的なこと

『幸せのメヌエット
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著者:江種 鹿乃

発行元:ナツメ社

発行日:2016年8月18日

 

◇特色◇

・両面印刷

・インデックスなし

・塗り方ガイドなし

・付録:ポストカード&オーナメント

・作品数:75点

・主なジャンル:風俗画系

 

■出会いと付き合い

 小動物好きの彼氏から、条件付きのプレゼントで貰いました。

「買ってあげるから、モモンガを可愛く塗ってくれよ~」という話だったのですが、届いた本を開き、息を呑みました。

 「ヤバい、これ絶対難しい線画だ…」 と。

 動物が苦手である上、ある程度立体感を出さないと綺麗に仕上がらない印象を受け、定されたページをいきなり塗るのは断念(^^;

 動物に慣れる為に、塗り易そうな作品を何点か塗ってから、本命のモモンガに着手しました。

 このページ、制作開始前の画像を撮っていなかったので、開始日の塗りかけ画像を載せておきます↓。

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「上手に塗れたら色鉛筆を買ってあげる」

と、ニンジンをチラつかされ、背景から120%の全力塗りでした(^o^;)

 完成した作品が、こちらです↓。

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 出来については、いくつも反省点が浮かぶのですが、「制作期間中ずっと気合満点で塗ってみるとどれ位やれるのか」を測るいい機会になった気がします。

 

 なお、このモモンガ攻略プロジェクトが終わった後は、多少ペースダウンしました。

 今後は焦らずじっくりと塗り進めていくことにしています。何故かと言えば、風雅には難易度の高いページが多い為、慎重にならざるを得ないのです。

「途中で大失敗して完成させられないのでは……」

と、いまだ新しいページに着手する度にドキドキしています(^^;

 

■幕間口上+着色例

 ここまでのように、対象の本との個人的な付き合い方をざっと記して中身の紹介に移るのが、いつもの形式なのですが。

 実は、ここ数ヶ月の付き合いの中で、この本に対しては愛着と隔意、著者に対しては敬意と軽蔑が半ばする心境になっております。

 隔意だの軽蔑だの、強烈な単語が出てきてすみません💦ただ、風雅がこの本について語る場合、避けて通れないのも事実です。

 という訳で、本書のどういった特徴がそうした反応を呼び起こしたのかも伝わるよう、「どんな塗り絵か」を書いていくつもりですが……それは後編にて。

 それに先立ち、モモンガ攻略プロジェクト以前に塗った作品5点を載せておきたいと思います(なお、一部は完成作品ギャラリー①の記事で載せたものと重複します)。

 

①眠れる栗鼠

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画材:油性色鉛筆。

 

②獣たちの秋
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画材:油性色鉛筆、水彩色鉛筆。

 

③花火見物

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画材:油性色鉛筆。

 

プリンアラモード城攻略
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画材:油性色鉛筆。

 

⑤森のオールスターズ

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画材:油性色鉛筆。

 

 ①~⑤まで時系列順に並べました。なお、各ページの題名は、風雅が勝手に付けた仮題です。

 

 申し訳ありませんが、前編はここまでとなります💦

 後編含め、よかったらまたお付き合いください(^o^)/

【雑談】"Escape to Shakespeare's World"【新刊】

 こんばんは(*^^*)

 今回は突発記事です。

 9/15、新しい塗り絵本が届きました゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚

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"Escape to Shakespeare's World"という題の、ムック型の洋書です。シェイクスピアの故国イギリスで発行されました。

 パラパラとめくっていくと……


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やや妖しい目付きのシェイクスピア氏。


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マクベス』の主人公マクベスの居城。


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ヴェネツィアのリアルト橋は、もちろん『ヴェニスの商人』から。

 こういった写実系のイラストの他、台詞に着想した幻想画風のイラストが、その詩句とともに多数収められています。

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 原則的に文字が書かれたイラストを好まない風雅ですが、箴言や格調高い詩句は、ミスマッチでなければ許容範囲。本書のイラストは、抵抗感なく受け入れられました♪

 

 全体に、『シェイクスピアの作品の名場面を描いた』というより、『詩句や作品の背景から喚起される空想を視覚化した』と理解したほうが適切かと思います。

 今はまだ線画を眺め渡しただけなのですが、面白い試みだと感じました。

 これから、シェイクスピアの作品も参考にしつつ、マイペースに楽しく塗っていきたいと思います(*^^*)

 

 という訳で、今回は簡単なご報告まで。

 次は進行中のレビュー企画になると思いますが、よかったらお付き合いください。

 では、本日はこの辺りで(^o^)/

【夏のレビュー企画】『森の少女の物語』

 こんばんは♪

 更新が遅れてしまい、すみません💦

 今回は、ポストカード型塗り絵の『森の少女の物語』を取り上げます。

 

■基本的なこと


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著者:井田 千秋

発行元:日本ヴォーグ社

発行日:2017年12月24日

 

◇特色◇

・片面印刷+裏面ワンポイントイラスト

・塗り方ガイドあり ※1ページ分

・作品数:20点

・作品のジャンル:風俗画系

・インデックスなし

・着色見本あり ※8点

 

 葉書サイズの線画20点が、各2枚ずつ。

 この他に、小型カード6種類が各2枚ずつと大型カード1枚が付いてます。

 また、着色見本は著者の手になるもので、これもポストカード仕様になっています。つまり、切手を貼れば郵送に使えます。

 

■出会いと付き合い

 塗り絵を始めて間もない頃、本屋で現物を見て、「葉書大なら塗りやすいかも?」と思って買いました。

 遠近感のある"絵画"らしい線画が多く、その種の線画に挑戦し始めるのにうってつけかと考えたのです。

  期待は、半分だけ的中。

 葉書仕様で大きさも手頃な上、先に切り離して塗れる点で、環境的に塗り易いのは想像通りでした(*^^*)

 反面、絵柄のほうは、意外と初心者にとって難しい印象を受けました。

 1枚の線画に、人物、植物、家具、雑貨等、種類の異なる対象が描かれていて、塗り分ける技術が必要だと痛感💦

 悲しいことに、そういう事実は塗り始めてから気がつくものなのですよね……(..) 「うむむ、これは容易ならん」と思ったところでペースダウンし、はや数ヶ月。

 正直に言ってやや放置気味です(^^;

 本ブログで殆ど言及していなかったのも、そういう事情によります。

 スイッチが入ると途端に進む類の塗り絵本だとも感じているので、未来に期待したいと思います💦💦

 

■ズバリ、どんな塗り絵か

 本書は、森の中に住む、借り暮らしのアリエッティ並に小さな女の子の生活を描いた線画集です。

 題に"物語"とあるものの、個々の線画相互に明確な連続性はなく、起承転結のある物語ではありません。

 ただ、女の子が木の幹を住居として改造して暮らしている為、本書はある物語の設定資料を眺めるような趣が感じられます。

 奇しくも、線もコンテに似た茶色。

 明瞭な輪廓線と、陰影を表す点や線があり、全体に丸みを帯びているのが特徴です。

 著者の画風とも合って、全体に温かみのある画面になっています。

 例によって、塗りかけのページを載せてみましょう↓。

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 カントリー調の風情ある住まいですね。嫌味も毒気もなくて、ひねくれ者の風雅には何となーく居心地の悪い世界(^^;

 そんな好みの問題にも増して、気になる点は、"物が多い"という事実でしょうか。

 「断捨離しなよ…」とかではなく、あくまで塗り手目線で、物が多くて種類も豊富なのは厄介です。配色も悩みますし、何と言っても材質の違いを塗り分けないと、線画が活かしきれません💦💦

 そういう訳で、葉書サイズながらそれなりの難易度を感じさせられます。ただ、挫折する前に塗り終わるのが有り難い点です。

 

 本書には、下の画像のような見本が8点付いています↓。

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 これが、作者ならではの完成度とプロならではの技術を見せつけてくれていまして、「塗り絵の見本としてはどうなのか」という気がします(^^; "上手過ぎてなかなか真似が出来ない"という好例では、と。

 また、8点とも画材やタッチが似通っているのも、見本としての価値を下げていると思いました。

 塗り絵本の着色見本は、読者に「私にも塗れる」、「こんな塗り方もしてみたい」という手応えや刺激をもたらして然るべきだと思うのですが、本書の場合はあまりそういった利点が感じられず、残念なオマケと化しています。

 個人的には、見本無しでも、その分値段を下げて発売してくれたほうがよかった、と感じました。

 

 しかし、その残念な見本のページを除けば、本の造りは上々です(*^^*)

 何と言っても、紙が塗りやすい…!!

 本書最大の長所は、と問われれば、風雅は迷わずこの紙質を上げます。

 ちなみに、これまで本書で使ったことのある画材は、油性色鉛筆、水彩色鉛筆、サインペン、水彩毛筆です。

 乾いた水彩色鉛筆で塗った後から水筆でなぞった際には、紙が少し反った記憶があるのですが、数ヶ月クリアファイルに挟んで放置したところ、撓みが残っていませんでした(*^^*)

 線画1種につき2枚ずつ入っているのも、面白い特徴ですね♪ 誰かに作品をプレゼントしたり、葉書として送ったりする方には便利そうです。

 ただ、既にレビューしている方々が揃ってこれを絶賛しているのを読むと、多少違和感があります。

 というのも、風雅自身は2枚組のうち2枚とも着色したことがないのです。飽きっぽい為か、同じ線画を2回塗る気がまるで起きません…(^^;

 風雅と同じように片側のカードは白紙のまま残っている方もいるのではないか、と想像されるのですが、皆さまどう活用しているのでしょうか。少々気になるところです。

 

■着色例


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画材:水彩色鉛筆。

水を使わない、「ドライ」と呼ばれる塗り方のみで塗りました。窓ガラスは、透明なガラスを塗る技術がなかったので、苦肉の策としてステンドグラス風に着色しました。


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画材:油性色鉛筆。

 最初に持っていた12色の色鉛筆セットで難儀し、混色も上手くいかず、何本かバラで買い足してから完成させた作品です。

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画材:サインペン、水彩毛筆。

 「ペン類でどれだけ塗れるのか?」と試しに塗ってみた作品です。家具や小物をペンで色を塗り分けようとした結果、微妙なセンスの部屋になりました💦

 

■終わりに

 おしまいは恒例の感想コーナーです。

 ・好きか★★★★★☆☆☆☆☆「普通」

 ・良いか★★★★★★★☆☆☆

 ・使い勝手 ★★★★★★★★☆☆ 

    ・達成感★★★★★★☆☆☆☆

 ・推奨度★★★★★☆☆☆☆☆

 本書は使い勝手がいいので、著者の画風が嫌いでなければ、買って損した気分にはならないと思います。

 ただ、絵柄の特性上、始めたばかりで手持ち画材の色数が少ない方や、これから始めるという方には向かないかもしれません。

 

 以上、『森の少女の物語』レビューをお届けしました。

 残るは2冊ですね。どちらの本になるか分かりませんが、よかったらまたお付き合いください(*^^*)

【夏のレビュー企画】『世界の模様 ぬりえの旅』

 こんばんは(*^^*)
 今回は、『世界の模様 ぬりえの旅』を取り上げたいと思います(*^^*)

■基本的なこと


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著者:河合ひとみ
発行日:2015年3月15日
発行元:誠文堂新光社

◇特色◇
・両面印刷
・塗り方ガイドあり ※13ページ
・インデックスなし
・付録なし
・作品のジャンル:模様系

作品数は計数できず、分かりません💦

■出会いと付き合い
 昨年末、本屋の店頭で知り、買いました。
 様々な伝統模様を塗り絵にしたのが新鮮だった上、塗り方ガイドで詳しくポイントを解説している点が決め手になりました。

 本書は、年初に手を着けて以降、かなりマメに進めています。
 手持ちの塗り絵本の中でも、かなり気楽に手を着けたり中断したりしている本です。
 と、そのように、気安い存在と思っていたのですが。

 8月初めに、ハプニングが発生しました。
 ページが少しずつ本体から剥がれてきているのです……(>_<)
 塗ったり定着液をかけたりする度に、本のノドまで開く事を繰り返したせいでしょうか。
 本の崩壊は進み、今や半分程がバラバラな紙の束と化してしまいました(作品が計数できなくなったのは、こういう事情によります)💦💦
 塗る分には作業しやすくなったものの、どうやって保管していこうか、と頭を悩ませる今日この頃……(^^;
 
■ズバリ、どんな塗り絵か

 本書には、古代ギリシャのパルメット文様に始まり、ケルト組紐、ロシアのレース、各地の刺繍、ハワイのキルトの模様など、様々な模様がアレンジ少なめで収載されています。

 タイトルにある"世界の模様"というフレーズは、模様の収集範囲が地球上のどこかであるという大雑把な事しか伝えていません💦
 選んだ基準も明記されず、種類も多岐にわたるのですが、風雅の考察では、下記の3種類に分類出来そうです:
①形状が確立されている文様
②各地の伝統工芸品に表された模様
③来歴不明の外国産の品に見られる模様

 ①には、パルメット文様やフルール・ド・リス、青海波などが該当します。
 この種の文様は、例えば「青海波」と聞けば、10人中10人が同じ形状の模様を頭に思い浮かべることが出来るものです。

 ②には、ヴォログダ・レースやハワイアンキルトの柄などが該当します。早い話が、特定の地域で発達した伝統工芸に見られる模様や図案です。
 これらは、バリエーションがあるにせよ、当該の伝統工芸に対する知識さえあれば、模様を見た時に「あぁ、これはハワイアンキルトの亀🐢」等と、ネタ元が理解できるものです。
 模様自体が伝統的というよりも、ある工芸の伝統の一部として存在する模様とも言えます。

 ③には、「ドイツのプリント柄」「オランダのプリント布」のように、産地だけが明記されている模様が属します。その模様が産地の中でどういった位置づけにあるか、よく分からない一群です。
 「現地の雑貨屋で適当な布やタイルを買って来て、模様を模写してみたのかな…?」と、勝手に想像しています。①②に比べるとデザインの練度が低い気がして、少々テンション下がります(^^;

 ①②③を一括りにして「ハイ、世界の模様だよー(^o^)/」とまとめてしまった意義が、個人的にはよく理解出来ません。
「あたかも世界各地から採集したような体裁を整えたかったのか?」という憶測が思い浮かびますが……仮に①のタイプだけ集めてみても余裕で1冊出来上がると思うので、見当外れかも。
 風雅の好みから言うと、
「デザインとして練度の高い模様を厳選して欲しかった……」
というのが正直なところです。
 本書の中でもっとも安定して練度が高いのは、後ろ1/3程度を占める「日本の模様」のコーナーでしょうか。
 線画にそこはかとなく配置の妙があり、登場する模様に作者が親しんでいるのが察せられます。
 この質を一冊通して保てなかったのかな、と思うと、少し残念ですね(..)


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 本書では、塗り方ガイドだけでなく、線画のページにも短い説明文やアドバイスが添えられています。
 著者さん、面倒見が良すぎ(笑)
 模様に対する理解は深まる一方で、塗っている間、"ワークブックをこなしている"感覚が拭えません。
 一長一短…💦
 独創性ある塗り絵をする為の画集ではなく、塗ることで模様や色鉛筆の技術を体得する為のワークブックとしては、なかなか有用な本だと言えます。
 特に、伝統的な模様を単純な形から理解しようと思う場合、アレンジ少なめで、同じ模様を何度も塗る本書の構成はうってつけです。
 着色するという行為は、線画を見るだけでなく、脳内で再構成するプロセスを必然的に伴う為、単純に模様を見る場合より深い理解をもたらすのだと思われます。
 ちなみに、本書のアドバイスは割と語気強めです。面倒見よいのを通り越して、お節介な教師のように感じる時も(笑) 著者の性格が想像されて微笑ましい部分です。

 線画の線は黒か濃いグレーで、鉛筆の線をコピーしたようなギザギサ感があります。少し見づらく感じました。
 紙は、必要以上にツルツル系。
 塗り方ガイドを読むと、油性色鉛筆が唯一無二の画材として想定されているようです。
 油性色鉛筆でも、合わないものだと塗りにくかったり、発色が思わしくなかったり……と、かなり気難しい紙質のようでした。
 風雅が試した限り、概ね「硬い色鉛筆は相性がよくない」という感触です💦
 また、サインペンは、色は綺麗に出ますが、滑る感触がありました。

■作品例

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和柄の『青海波』&『千鳥』。
画材:油性色鉛筆。


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ロシアのヴォログダ・レースの柄。
画材:油性色鉛筆。


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古代ギリシャのパルメット模様。
画材:油性色鉛筆。



■終わりに

 それでは、感想コーナーで締めくくりたいと思います↓

好きか★★★★★★★☆☆☆
良いか★★★★☆☆☆☆☆☆
使い勝手★★★☆☆☆☆☆☆☆
達成感★★★☆☆☆☆☆☆☆
推奨度★★★★★★☆☆☆☆

 良いとも使い勝手がいいとも言えないのにお薦め度が高めという、やや奇妙な感想になってしまいました(笑)
 ちなみに、推奨理由は、こういった、方向性と効果が明確な本は、多少欠点があっても、価値が高いと思うからです。
 風雅自身、ある模様を基礎から理解したいと思った時に、"手を動かして学ぶ"アプローチが有効なのだと、本書を通して学びました。
 そういう意味では、手芸好きな方や美術ファンに特にオススメしたい本と言えます。

 今回は、やや異色の塗り絵本を取り上げました。
 もう9月で「夏の……」と名乗るのは微妙になってきましたが、まだ王道路線の塗り絵本が何冊か残っていますので、もうしばらくレビュー企画を続けようと思います。
よかったらまたお付き合いください。
 それでは、今回はこの辺りで(^o^)/