塗り絵をめぐる冒険

いち美術ファンによる、「目指せ、塗り絵上手!」な試行錯誤あれこれ。

【夏のレビュー企画】『森の少女の物語』

 こんばんは♪

 更新が遅れてしまい、すみません💦

 今回は、ポストカード型塗り絵の『森の少女の物語』を取り上げます。

 

■基本的なこと


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著者:井田 千秋

発行元:日本ヴォーグ社

発行日:2017年12月24日

 

◇特色◇

・片面印刷+裏面ワンポイントイラスト

・塗り方ガイドあり ※1ページ分

・作品数:20点

・作品のジャンル:風俗画系

・インデックスなし

・着色見本あり ※8点

 

 葉書サイズの線画20点が、各2枚ずつ。

 この他に、小型カード6種類が各2枚ずつと大型カード1枚が付いてます。

 また、着色見本は著者の手になるもので、これもポストカード仕様になっています。つまり、切手を貼れば郵送に使えます。

 

■出会いと付き合い

 塗り絵を始めて間もない頃、本屋で現物を見て、「葉書大なら塗りやすいかも?」と思って買いました。

 遠近感のある"絵画"らしい線画が多く、その種の線画に挑戦し始めるのにうってつけかと考えたのです。

  期待は、半分だけ的中。

 葉書仕様で大きさも手頃な上、先に切り離して塗れる点で、環境的に塗り易いのは想像通りでした(*^^*)

 反面、絵柄のほうは、意外と初心者にとって難しい印象を受けました。

 1枚の線画に、人物、植物、家具、雑貨等、種類の異なる対象が描かれていて、塗り分ける技術が必要だと痛感💦

 悲しいことに、そういう事実は塗り始めてから気がつくものなのですよね……(..) 「うむむ、これは容易ならん」と思ったところでペースダウンし、はや数ヶ月。

 正直に言ってやや放置気味です(^^;

 本ブログで殆ど言及していなかったのも、そういう事情によります。

 スイッチが入ると途端に進む類の塗り絵本だとも感じているので、未来に期待したいと思います💦💦

 

■ズバリ、どんな塗り絵か

 本書は、森の中に住む、借り暮らしのアリエッティ並に小さな女の子の生活を描いた線画集です。

 題に"物語"とあるものの、個々の線画相互に明確な連続性はなく、起承転結のある物語ではありません。

 ただ、女の子が木の幹を住居として改造して暮らしている為、本書はある物語の設定資料を眺めるような趣が感じられます。

 奇しくも、線もコンテに似た茶色。

 明瞭な輪廓線と、陰影を表す点や線があり、全体に丸みを帯びているのが特徴です。

 著者の画風とも合って、全体に温かみのある画面になっています。

 例によって、塗りかけのページを載せてみましょう↓。

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 カントリー調の風情ある住まいですね。嫌味も毒気もなくて、ひねくれ者の風雅には何となーく居心地の悪い世界(^^;

 そんな好みの問題にも増して、気になる点は、"物が多い"という事実でしょうか。

 「断捨離しなよ…」とかではなく、あくまで塗り手目線で、物が多くて種類も豊富なのは厄介です。配色も悩みますし、何と言っても材質の違いを塗り分けないと、線画が活かしきれません💦💦

 そういう訳で、葉書サイズながらそれなりの難易度を感じさせられます。ただ、挫折する前に塗り終わるのが有り難い点です。

 

 本書には、下の画像のような見本が8点付いています↓。

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 これが、作者ならではの完成度とプロならではの技術を見せつけてくれていまして、「塗り絵の見本としてはどうなのか」という気がします(^^; "上手過ぎてなかなか真似が出来ない"という好例では、と。

 また、8点とも画材やタッチが似通っているのも、見本としての価値を下げていると思いました。

 塗り絵本の着色見本は、読者に「私にも塗れる」、「こんな塗り方もしてみたい」という手応えや刺激をもたらして然るべきだと思うのですが、本書の場合はあまりそういった利点が感じられず、残念なオマケと化しています。

 個人的には、見本無しでも、その分値段を下げて発売してくれたほうがよかった、と感じました。

 

 しかし、その残念な見本のページを除けば、本の造りは上々です(*^^*)

 何と言っても、紙が塗りやすい…!!

 本書最大の長所は、と問われれば、風雅は迷わずこの紙質を上げます。

 ちなみに、これまで本書で使ったことのある画材は、油性色鉛筆、水彩色鉛筆、サインペン、水彩毛筆です。

 乾いた水彩色鉛筆で塗った後から水筆でなぞった際には、紙が少し反った記憶があるのですが、数ヶ月クリアファイルに挟んで放置したところ、撓みが残っていませんでした(*^^*)

 線画1種につき2枚ずつ入っているのも、面白い特徴ですね♪ 誰かに作品をプレゼントしたり、葉書として送ったりする方には便利そうです。

 ただ、既にレビューしている方々が揃ってこれを絶賛しているのを読むと、多少違和感があります。

 というのも、風雅自身は2枚組のうち2枚とも着色したことがないのです。飽きっぽい為か、同じ線画を2回塗る気がまるで起きません…(^^;

 風雅と同じように片側のカードは白紙のまま残っている方もいるのではないか、と想像されるのですが、皆さまどう活用しているのでしょうか。少々気になるところです。

 

■着色例


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画材:水彩色鉛筆。

水を使わない、「ドライ」と呼ばれる塗り方のみで塗りました。窓ガラスは、透明なガラスを塗る技術がなかったので、苦肉の策としてステンドグラス風に着色しました。


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画材:油性色鉛筆。

 最初に持っていた12色の色鉛筆セットで難儀し、混色も上手くいかず、何本かバラで買い足してから完成させた作品です。

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画材:サインペン、水彩毛筆。

 「ペン類でどれだけ塗れるのか?」と試しに塗ってみた作品です。家具や小物をペンで色を塗り分けようとした結果、微妙なセンスの部屋になりました💦

 

■終わりに

 おしまいは恒例の感想コーナーです。

 ・好きか★★★★★☆☆☆☆☆「普通」

 ・良いか★★★★★★★☆☆☆

 ・使い勝手 ★★★★★★★★☆☆ 

    ・達成感★★★★★★☆☆☆☆

 ・推奨度★★★★★☆☆☆☆☆

 本書は使い勝手がいいので、著者の画風が嫌いでなければ、買って損した気分にはならないと思います。

 ただ、絵柄の特性上、始めたばかりで手持ち画材の色数が少ない方や、これから始めるという方には向かないかもしれません。

 

 以上、『森の少女の物語』レビューをお届けしました。

 残るは2冊ですね。どちらの本になるか分かりませんが、よかったらまたお付き合いください(*^^*)