塗り絵をめぐる冒険

いち美術ファンによる、「目指せ、塗り絵上手!」な試行錯誤あれこれ。まったり気ままな塗り絵ブログ。

【制作の記録】秋色の美人画を水彩色鉛筆+αで その3

 こんばんは(*^^*)

 引き続き、『大人の塗り絵 美人画編』所収『想い』(原画↓)の制作の記録をお届けします。

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■もみじ🍁

 前回、楓を塗る最中に盛大にやらかし、背景の何もないところを銀一色で塗る運びになりました。

 この銀地に埋もれさせない為に、楓の葉は、原画よりも形がくっきり出るように意識して塗りました。

 画面の中で強烈に『秋』を主張してくれるパーツですから、埋もれられては困るという訳です(^^;

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 上の画像にある水彩色鉛筆を使い……

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……多少とも奥行き感が出せないかなぁ、と葉ごとに色を変えました。

 この線画でもみじ🍁は画面左上段と右中段は分布しますが、左上段のほうをより鮮明にしました。これは、美人さんの視線が左上段に向かっている為、観る方もまず左側のもみじ🍁に目を引かれると考えたからです。背景が1色ベタ塗りになった為、めりはりをつけたかったという事情でした💦

 なお、最終的に画面左上のもみじ🍁は下のようになりました↓。
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■髪と髪飾り

 さて、残る頭部は、ざっくり右上側から左方向に進出する感じで、攻略していきました(この方向に深い意味はなく、単に風雅が左利きだからです)。 

 また、玉の簪と布っぽいパーツは早めに塗りました。

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 桃割れの中の布は、原画だと濃い紅色地で、鹿の子絞りが明瞭に描き出されています。

「ここを少し明るい色に変えたい」と思い、萌黄色:(P)245にしました。線画に絞りの柄の線があり、その中は薄い灰色:(P)003で塗っています(画像だとほぼ見えません💦)。

 前髪を束ねている紐は着物の陰となる部分にも使ったすみれ色:(P)090で塗ることに決め、軽く下塗りしました。

 

 この辺りで、髪色との兼ね合いが気になり始め、髪に手を着けることにしました。

 最初に、薄いピンク色:(P)051を髪の生え際に塗り、水筆でぼかします。

 乾くのを待つ間に、桃割れから髪塗り開始です(*^^*)

 原画を見ると、髪は、墨のような黒一色で綺麗にベタ塗りされ、生え際とか端だけ櫛目が分かるように描かれています。 

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 水彩色鉛筆で全く同じに塗るのは難しそうですが、艶を出さなければ、黒髪特有の重~い印象は継承できそうに思いました。

 そこで、髪部分を疎らに紺色:(P)159で下塗りし、水でぼかして乾かしてから、上から黒色:(P)009で髪の毛を1本1本描くようなつもりで、櫛目どおりに塗っていきました。

 髪塗りで指が疲れたらメタリックマーカーに持ちかえて背景の銀地を広げ、マーカーに飽きたら髪に戻って続きを塗る……という工程が続きます。

(制作途中の状態↓)
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 髪塗りの後、桜の簪、もみじ模様の櫛、つまみ簪を塗りました。

 この辺り、あまり作業途中の画像がなくて詳説できず、すみません💦

 特筆する事も殆どありませんが、原画で細かいところを確認しながら塗れるのは、とても楽でした♪ 原画と異なる色で塗る場合も、事物の位置関係や明暗の表し方などはかなり参考になります。これは、原画付き塗り絵の大きなメリットですね(*^^*)

 

■仕上げ~顔その他

 髪と髪飾りを塗り終わると、人物の輪郭で未着色の部分がなくなったので、背景塗りを進め、銀地を完成させました。

 この時点でもまだ着物の柄部分に未着色の部分が残っていましたので、原画の塗り方を参考にしながら塗り上げます。

 残ったのは顔のみでした。

 肌部分は、下塗りを軽く整える程度に留めました(←美人画なのに……💦)。

「もうちょっと頑張るべきでは?」

と迷ったのですが……何をどう頑張ったら良くなるか、道筋が見えず、下手にいじるとひどい結果になる予感💦 顔で失敗したら、銀色マーカーで塗り隠すことも出来ませんので、無理しないことにしました(^^;

 顔の各部のうち、瞳の中はオーカー:(P)035を水筆に直に取って塗りました。紙が乾いてから、黒目の部分を黒色:(P)009で塗り足します。

 眉毛とまつ毛、瞳の際の線は、同じ黒色を小まめに尖らせて描きました。

 唇は、薄いピンク色:(P)051を水筆に取って薄く全体に塗った後、陰になる部分に乾いた朱色:(P)060の芯先で色を重ねました。

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 これで、完成となります(* ´ ▽ ` *)

 

■完成作品

 完成作品は、下のようになりました↓。 

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 元々、線画の画面が、紙面より少し小さめに出来ており、隅で唐突に線が途切れています。したがって、線の先端を直線で結ぶと"縁(ふち)"が出来ます。

 今回は、この縁となる部分も銀色のメタリックマーカーで塗ってしまいました。

 

■終わりに

 以上で、『想い』制作の話は終わりとなります(余力があれば着物や装飾品の配色についても言及したかったのですが、それはもう少し一般化を進めた配色論として、いつかどこかで書こうと思います)。

 初めての名画系塗り絵で、原画の存在を頼もしく感じる一方、距離感を見誤ると思わぬ失敗につながることも痛感しました(^^;

 多少ともお楽しみ頂ければ、そして塗り絵をなさる方には他山の石として頂ければ幸いです。

 なお、同じ塗り絵本にあと10枚線画があるので、今回の反省も活かしながら、また美人画に挑戦してみたいと思います。

 ここまでお付き合い頂き、本当にありがとうございました(^^ゞ