こんばんは〜♪
今回は『百妖行・玉人歌』所収の「菌人」メイキングその3(最終回)をお届けします。
前回記事では下の画像の状態まで進んでいました☟:
ここから完成に向けて、するべきことは主に2つ。即ち、
①未着色の部分を塗り進めること
②更に手を加えるべき部分を塗り込むこと
ーーとなります。
ある部分を完全に仕上げてから他の部分に移る塗り絵師さんも大勢いらっしゃいますが、風雅は①と②を交互に進めていく流儀です。
記事本文中では②の塗り込みの件は、煩瑣になる為、あまり細かく書きません。
「①のトピックの合間に②をこなしているんだな……」
と理解して頂けると嬉しいです。
そういう訳で、2人の頭のキノコも上の画像だと未着色ですが、前回までにポイントを記したものとして本稿では割愛します。
となると残る山場はハツミの衣装ですね。
早速参りましょう(^^)/°
■ハツミの上着
右のキノコ妖精(仮名:ハツミ, ハツタケのイメージ)が羽織っている上着を何色にするか、少し悩みました。
というのもこの時点で画面全体にメリハリが足りない気がしてきたのです(¯―¯٥)
ハツミも内側の着物が上下とも薄い色をしているので、
「補色に近くて濃い色にしよう!」
と、ハツタケが山に生えている時の色=茶色に仮決めしました。
早速、小手調べがてらに帯の紐を色辞典の枯竹色(D-14)で塗ってみました。
「この色が合えば類似色の茶色もイケる筈」
と見込んでの枯竹色でしたが、腹周りを塗った時点で「あ、無理っぽい💦」と断念しました。
ここは本質的に茶色が合わないのではなく、とてもセンスの良い人ならば上手に画面に収める使い方がありそうな印象を受けたのです。ただ自分のセンスでは到底その境地に達せず、悲惨な結果になる予感もありありと……Orz。
数学のテストで図形の証明問題を出題され、『補助線が正しく引ければこの問題は解ける…!』と思いつつも、その線1本の引き方が分からずに諦めた経験はありませんか?この時はまさにそんな感覚でした。
振り出しに戻り、ハツタケの主たるイメージカラーに近い青緑・濃い青・濃い緑の3色はどうか?とも検討しました。
この3色だとハツミのコーディネート自体は無難に収まる一方で、画面上で
『右=ハツミ=ハツタケ=青緑、
左=ユカリ=ムラサキシメジ=紫』
の対応関係が完成してしまいます💦 戦隊ものみたいになりそうな気がしたので、却下とあいなりました。
ハツミの上着は、結論として黄色系統に行き着いた訳ですが、その理由は画面上でまだ殆ど使われておらず、下の着物の薄い青にも映える為でした。
ただ濃い黄色にすると、背景の黄緑色が呼応して主張を強めそうな気がしました。
そこで地色はクリーム色にし、袖の花模様に濃い赤を使って画面を引き締めることに決めました。
袖の花模様を濃い赤にしたのは、この曲面では結果的に好手だったかもしれません。
お姉さんの腕の模様、ハツミの袖の花模様、ユカリの襟元…と画面手前から奥に向かって、濃い赤色のパーツがほぼ一直線上に並ぶことになりました(下図参照☟)。
従って、画面上で最も目立つ色を辿っていくと視線が自然と奥に誘導されることになります。
これは、線画自体の構図が、手前から奥に向かって『お姉さんの腕→ハツミ→ユカリ』という位置関係を作っているのとも合致します(^o^) つまり、構図に内在する奥行き感を色使いで補強する効果が得られる…という訳です。
この配色で多少はメリハリが出てきたので、悩んだ甲斐があったかと思います♪
■仕上げ
こうして粗方塗り上がった後、ユカリの目と口元、ハツミの目尻を色辞典で仕上げました。
2人とも目尻に描き睫毛っぽい模様があります。アクセント効果を狙い、ここでも濃い赤系を使いました。
こういうオリエンタルな化粧は、訳が分からなくても塗っていて楽しいですね〜(^^♪
色鉛筆の着色が全て終わったのを確認してから、最後に三菱Signoのボールペン(金色)でユカリの上着の模様を塗り、完成となりました♪
■完成作品
こちらが完成像です☟:
(拡大画像)
前々章で多少修正が出来たとはいえ、まだボンヤリした印象が残りますね💦💦
最大の敗因は背景にある気がします。構想時には中心を明るく、周縁を暗くしたかったのですが、修正などもあった為にうまく調整することができませんでした(ToT)
また、「菌人」らしさ、キノコならではの妖しさが出し切れなかったのも痛恨事。
自分の表現力の乏しさにじんわり落ち込みました……Orz。
■終わりに
迷走続きの「菌人」メイキングは、以上で終わりです。
なお、完成直後は落ち込んだものの、半日で浮上していますので、ご心配なく(^^)
これからもマイペースに楽しみながら表現力を身につけていけたらいいなと考えています。
という訳で、よかったらまたお付き合い下さい。
それでは〜(^^)/