塗り絵をめぐる冒険

いち美術ファンによる、「目指せ、塗り絵上手!」な試行錯誤あれこれ。まったり気ままな塗り絵ブログ。

【制作の記録】織田信長 in Blue。 前編

 こんばんは〜。

 5月末に「織田信長」☟が完成してから、暫し抜け殻のように虚脱していた風雅です。

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出典:長野剛『大人の塗り絵 戦国武将編』.

画材:油性色鉛筆、顔彩、ボールペン。

 

 その後少し落ち着きましたので、「織田信長」制作話前編をお届けします。

 

 制作期間が長く、時系列順にたどると記事が間延びする為、主に構想、配色、方法論に焦点を当てて進めます。

 それでも結構な分量になりますが、よかったらお付き合いください(^^)/

 

■構想

 最初に構想を練りました。

 原画手本を見ると、赤・黒・金色を基調とする鮮烈な色彩の中で、小袖袴にドラキュラ風のマントを羽織った威厳ある壮年男性が扇を持ち、能を舞っています。

 あまりに完成度が高いので、これを安易に踏襲すると火傷する、と感じました。

「とにかく別の色合いでまとめよう」

と画面を凝視し、青色を基調に据えることにしました。

 

 問題は、『その青ベースでどんな信長像を描き出すか』という意味付けです。

 "青色"と"信長"、双方のイメージが交わる所を連想していきました。

「青色=水の色≒湖、湖と言えば琵琶湖、琵琶湖と言えば湖畔の安土城!」

「信長さんは湖畔の城主(≧∇≦)b」

 声には出しませんが、概ねこんな軽いノリで構想を膨らませていきます。

 風雅にとって安土城が尽きせぬ憧れの的であるのも、この連想を加速させました。

 何と言っても、この城こそ初めて天守(所謂「天守閣」)を備えた城だった言います。

 その独創的で絢爛豪華な城が現存しない事実は、今なお惜しまれてなりません💦。

 そう思い巡らすうちに、織田信長が美的感覚に優れた人物だったと、だから惹かれる面もあるのだと思い出しました。

 

 かくしてゆるく構想が出来ました:

美的な先駆者、安土城主としての信長』。

 

 配色方針も2つ定まりました:

『基調色は青系統』、

『とにかく美しい色で塗る』。

 

■停滞と再開

 構想で風呂敷を広げた割に、昨年末の年内完成キャンペーンでもはかばかしく進めることが出来ず、数ヶ月間足踏みしていました(^o^;。

 勢いに乗り切れないと長く停滞する、いつものパターンに陥りかけましたが、ミュシャの「夢想」でパラレル塗り絵に誘ってくれた友達に抱き合わせで

「武将塗り絵もやろうよ( ̄ー ̄)ニヤリ」

と持ちかけ、再開に至りました。

 

 実は、昨年の開始前後にざっくりと大部の色をどう塗るか、構想していました。

 再開に辺り、その一部を変更して

「衣服に黒を使わない!」

との縛りルールを作りました(小物は可)

 黒も美しい色ではあるのですが、信長に限っては従来の"魔王"風のイメージに直結するのではないかと懸念しての判断でした。

 

 以下、各部の配色を中心に振り返っていきます。

 

■背景

 背景の地の部分のうち、下の2/3程は、最初に塗りました。

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 使用した色鉛筆はプリズマカラーの2色。

薄いほうがSky Blue Light(PC1086)、濃いほうがPeacock Blue(PC1027)です。

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 できるだけ色鉛筆の筆跡が目立たないように注意して塗りました。

 

 残る上1/3程は鍬形や木瓜紋の配色を決めてからプリズマカラーの薄いラベンダー色で塗り、無印良品の白い色鉛筆で伸ばしました。

 

■額縁

 画面の左右と下辺を縁取るU字型の部分は、原画では大理石風に塗られていました。

 画面内のモチーフと絡まない要素なので、一種の額縁と解釈します。

 城の柱や床も暗示できたらいいな、と思い、木材風に塗りました(完全なる自己満足…^^;)。

 背景下半分の濃い地色と区別がつくよう、額縁の下塗りは薄い灰緑色で施しています。

 

■鷹

 鷹は最後に塗りました。

 あまり実物を見る機会がなく、細部となると全く思い出せません💦。

 予備的に鷹の画像を検索したところ、個体差がそれなりにありそうな印象を受けました。

 こういう時、特定の個体にこだわって描写できればリアリティの追求としては理想的だと思います。

 しかし残念ながら「これだ!」と思えるような個体や種の画像は見つかりませんでした。

 そこで、自分が想像する観念上の「鷹」を描くことにしました。

 

 この"観念上の鷹"を描く手順として、観察と描写を交互に行う方法を試してみました。

 まずは色鉛筆を置き、種や性別を構わず40枚程度の鷹の画像を凝視して、何となく脳内に鷹のイメージを形作ります。

 イメージが出来たところで画像を閉じ、塗れる部位から塗っていきます。

 イメージが薄いところに差し掛かる度に手が止まるので、その都度画像を見つめてイメージを作り直し、また塗る…という要領でした。

 こうした方法をとっている為、詳しい人が見れば実在の鷹ではあり得ない点が幾つも見付かることでしょう…(^o^;。

 ただ、塗っている当人にとっては、自分のイメージに近いものを描こうとしているので気分良く塗れる利点があります。

 今回のラストスパートではその長所が奏功し、想定したより早く、締め切り当日の午前中に仕上げることが出来ました(^^)♫。

 

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 ちなみに、イメージが鮮明な箇所から塗る為、制作中は上の画像のような虫食い進行になっていました。

 

■前編の結び

 ここまで、全体構想と一部のパーツの制作についてポイントを述べてきました。

 長いのでひとまずここで中断し、残余は後日の"後編"にて記したいと思います。

 ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

「途中どうなっていたのか見たい!」

という方向けに、制作途中の画像を下の付録コーナーに載せておきますので、よかったらご覧下さい(^^)。

 それでは、後編もよろしくお願いします!

 

 

【付録】 

■断章という名の蛇足:途中経過

 参考になるかは分かりませんが、途中経過の画像を載せておきます。

 

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