こんばんは(^^)。
ゴールデンウィークが終わり、季節はすっかり初夏になりましたね。
5/3〜6の4日間、風雅はほぼ自宅に籠もり、趣味に勤しんで過ごしました。
塗り絵7割、ゲーム2割、読書1割といった比率でしょうか?
例によって幾つもの作品を進めた訳ですが、そのうち1点が稀有な制作体験だったので、本稿にまとめたいと思います。
それは『友達が描いた鉛筆画に色を着けた』という体験でした。
■制作のきっかけ
始まりは、友達が天野喜孝さんの画集を見ながら、模写に少しのアレンジを加えて鉛筆画を制作したことにあります。
Instagramでその作品を見て惹かれ、
「カラーで見たい」
とお願いしたのです。すると
「塗ってみる?」
と魅惑的な申し出を頂きました♫。
線画は、原画をスキャンした画像をネットプリントでその日のうちに送ってもらいました。
この時、親切な友達はスキャン方法を少しずつ変えた3種類の画像を用意し、参照した天野喜孝さんの原画も教えてくれました。
なお、線画を描いてくれた友達のよめさん(Instagramアカウント: @yomekodomo.futariimasu2018)はInstagramにてカッコいいお絵描きの作品を公開してくれています(^^)。
■紙の選択
さて、線画をコンビニでプリントして帰宅した後のことですが、コピー用紙で塗るのが苦手なので、自宅プリンターで更に別の紙にコピーしました。
ネット経由で入手した線画を塗る場合だけの特典として、自分の好きな紙を使える楽しみは外せません。
余白が広い線画の場合は大抵、紙の地を活かせる可能性がある為、模様入りや色付きの紙を採用しています。
コピー時は構想が固まっていなかったのですが、絵柄がオリエンタルな雰囲気の幻想画で余白も広いので
「金色がいいアクセントになるだろう」
程度のざっくりとした見通しで、少し厚手の、オフホワイトの地に細かい金箔風の模様が入っている工作用紙(※名称忘失💦)を選びました。
■序盤の着色
今回の着色は、目立つ箇所から行いました。
中央の美女が一番はっきりと描かれていて、絵としての焦点も合っている気がしたので、乳白色の肌とエメラルド色のドレスを塗ります。
肌は水彩色鉛筆を塗ってオーロラ系顔彩の残る水筆でなぞり、乾いた後に油性色鉛筆とパステル色鉛筆を部分的に重ねて整えました。
ドレスは水彩色鉛筆で塗った後、油性色鉛筆を重ねました。
アラビアンナイトめいたデザインの服なので、ドレスの色も翡翠やトルコ石のような色合いを意識しています。
このドレスの緑色と呼応するように、手前の観葉植物(?)を濃い緑色で塗りました。
唇、耳飾り、一番大きな花は赤色。
緑の補色なので、塗りかけの画面でも目立ちます。
髪は、金髪よりもう少し質量感のある色合いが良いように思われ、栗色としました。
■構想を練る
赤と緑の2色を主とした序盤の着色の後、『いかに作品としてまとめるか』という問題が浮上しました。
線画はモチーフ相互の関係をどう見るか、解釈の余地が広い印象です。
見て感じるままに塗り進めても、自分が線画に感じた魅力を十全に表しきれない予感がしました。
構想を立てるに当たり原画(天野喜孝さんの作品)と線画を見比べました。
原画では、画面左上辺りの丸い紐付きのものが人型の頭部を巻いたターバンとなっていました。神か魔物か魔術師かは判然としませんが、妖しい雰囲気です。
そのモチーフが線画では更に曖昧模糊と描かれており、これまた妖しい雰囲気を醸していました。
線画でのアレンジが光るポイントだと思い、これを活かせる設定はないかと考えた時、"変身"というキーワードが思い浮かびます。
次いでギリシャ神話のある一節が脳裏をよぎりました:
『アルゴスの王女ダナエは、いかなる男も近付けないようにと、父王によって堅牢な部屋に閉じ込められた。
しかし、天空神ゼウスがダナエを見初め、黄金の雨となって建材の継ぎ目からその部屋に入り込んだ。』
後に英雄ペルセウスが生まれる背景となる有名な神話なので、ご存じの方も多いと思います。
この話に基づき、ゼウスが黄金の雨から己の姿に変わろうとする場面に仕立てよう、と思い付きました。
■制作再開〜ラストスパート
構想が浮かんだ後、塗りかけ卒業キャンペーン中に少しずつ細部を塗り進めました。
6割方出来上がったところで4月後半の停滞期に突入し、中断。
無理して進めても進まず、波長があった日に突然スイスイ塗れる類の作品だろうな…と何となく感じていました。
その日は思ったより早く訪れました。
かくて5/4、制作再開から一気に完成まで突き進みました。
意識したのは、画面の中に種々の質感表現を盛り込むことです。
鳥の羽、ベールの網目、瘴気が凝ってくるようなゼウスのモヤ感…。
室内であると示す為に石造りの床を背景に、花には求婚の暗喩という意味合いを負わせたかったので、ダナエのベールの付け根に赤い花を水彩色鉛筆で描き込みました。
そして、最後に金色の顔彩(使用色:顔彩耽美シリーズ(呉竹)より「黄金色」)でスパッタリングを施して、黄金の雨を降らせました♫。
乾くのを待てばようやく完成です☟:
■感想というか雑想:野生の塗り絵
ここまでの語り口からも風雅が以下に制作中ハイになっていたか、滲み出ていたと思います(^o^;。
お察しの通り、存分に楽しみました!
何故、こんなにも楽しめたのか。
・線画が好みなこと。
・友達が描いた絵であったこと(生産者の顔が見える…!)。
・美女の額の辺りが幼馴染みの面影によく似ていたこと。
……などなど理由は様々あるでしょう。
中でも大きいのは、
『作品として描かれた線画を塗った』
という一事ではないかと思います。
というのも、風雅が普段色を着けているのは塗り絵用の線画であり、大半が塗り絵本(coloring book)として制作・編集されている出版物です。
言い換えると、読者が「塗りたい」と感じそうなモチーフを選び、あるいは「私でも塗れる」と思えるように整えられたものです。
それに対して今回の攻略対象は、描き手が塗り絵になることを想定せず、自身の表現の為にモノクロで描いた"作品"でした。塗る人間への配慮や忖度など勿論無く、複雑で濃密で多様です。
仮に塗り絵本の線画が牧場生まれの乗用馬だとすれば、絵を描く人が自身の表現の為に描いた線画は野生馬に当たるでしょう。
野生馬の調教が乗用馬の調教より遥かに集中力を要するように、"野生の塗り絵"を達成しようと思えば熱くなるのは必然なのかもしれません。
完成した時は本当に嬉しく、心地よい達成感を覚えました。
この貴重な体験のお蔭で、外出自粛でも今回の連休は"ゴールデンウィーク"となりました(^o^)。
その点でも友達の申し出に改めて感謝したいと思います。
■終わりに
以上、去る連休の思い出を長々綴って参りました。
ここまでお付き合い頂き、本当にありがとうございます(^^)。
連休前後の他の成果については、また別の記事にて報告したいと思います。
それでは、また〜(^^)/"
お題「#おうち時間」