塗り絵をめぐる冒険

いち美術ファンによる、「目指せ、塗り絵上手!」な試行錯誤あれこれ。まったり気ままな塗り絵ブログ。

冬バテによる停滞期の塗り絵。〜そんなこんなで2周年〜

 こんにちは〜。

 最近、肉体的にも精神的にも何となく調子が上がらない日々が続いています💦。どうやら先週末からの気温の乱高下と杉花粉の飛散開始が堪えているようで…(・・;)。

 要するに"冬バテ"というものです。

 毎年、1年の中で一番体調が悪い時期が1月末から3月末にあたるので、しばらくは制作ペースが落ちたり納得のいく記事が書けなかったりと影響が出るかもしれません💦。

 もどかしくはありますが、楽しい初夏を心待ちにしつつこの不調をやり過ごしていこうと思います。

 

 と、不景気な話はこれくらいで。

 まずは塗り絵の近作2点(出典はともに"Snowflake Mandalas Coloring Book")をご紹介します☟。

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画材:水彩毛筆、サインペン、メタリックマーカー、ボールペン。

 ペンのみで塗るのは久しぶりです。

 アクアとフレンチブルーという同じ青系統の2色をテーマカラーとして塗りました。

 本書の紙はコピー紙に毛が生えた程度の薄さなので、白いところ多めで仕上げています。


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画材:水彩毛筆、サインペン、メタリックマーカー、ボールペン、油性色鉛筆。

 2/1の午後から夜にかけて制作しました。

 ある海外の塗り絵師様がInstagramにて“coloralong”(特定期間に参加者たちが同一テーマで作品を制作・投稿し合う活動)でマンダラ塗り絵を募っているのを知り、俄にやる気スイッチが入ったのです。

 “coloralong”に参加するのは今回が初めてでした。

 こういうゆるい"coloralong"だと、そのテーマに興味のある方の作品を見たり、逆に自分の見てもらったりしやすいのではないかと期待しています。

 そして、折角塗るのだからと、ちょっとした実験的試みもしました。

 テーマカラー(今回は青系&銀色)をペン類ででそれ以外の系統の色を油性色鉛筆で塗るというものです。その塗り方でテーマカラー以外の面積を広めにした場合、まとまりが維持できるか、という関心がありました。

 今回程度の面積比・構成ならば、まだテーマカラーによるまとまりが保てているようです。

 更にテーマカラーの面積を小さくした場合にどうなるのかは、また気が向いた時に試してみようと思います。

 

 "本筋"は準備中です。

 奥田みき『大人の塗り絵 ヨーロッパの民族衣装編』の「ノルウェー」を友達と"パラレル塗り絵"で制作する予定です☟。

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 画面の女性が纏うのが「ブーナッド」という民族衣装で、ザッと調べたところではお祝いやお祭りや節目に着るものだとか。

 多くの日本人にとっての和服みたいな位置づけなのかと理解しています。

 色・柄・形状ともにバリエーション豊富で楽しい反面、どういう方向でまとめるかが決まらず悩ましい…^_^;。 

 この国についてあまり知識がないのも一因でしょうか。

 ノルウェーと聞いて咄嗟に思い浮かぶのがサーモンでは、塗り絵にはなかなか反映しづらくもあります。…悪ノリして衣装をサーモンピンクにしようかな?

 締め切りは2月半ばです。

 完成形がどうなるか、お楽しみに(?)。

 

 ところで、1月下旬に数冊塗り絵本を買いました。

 うち1点:野村重存『野村重存の風景ぬり絵BOOK』(2016年、日本文芸社)は、近所の大型古書店で入手☟。

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 12点の風景の線画が、写真とそれを元にした見本とともに収載されている本です。

 片面印刷で切り離し用のミシン目が入っている点と紙質は河出書房新社の『大人の塗り絵』シリーズに似ています。紙質については、個人的に残念至極💦💦。

 ただ、美味しい点は、著者自身が線画を描いてくれていること♫。格段に描線が滑らかだと感じました。

 主に水彩塗りを念頭においているのか、水彩での塗り方紹介も巻頭に載っています。

 早速コンスエグラの風車を描いた線画に手を着けました。

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 上のように水彩色鉛筆を水彩のように使って広い部分を下塗りし、あとは油性色鉛筆で仕上げていく構想です。

 油性色鉛筆での仕上げは、空から手を着けたところですが、うっかりいつもの調子で塗り込み始めてしまいました☟。 
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 下塗りの意味があったのか……(^o^;。

 気を落とさず長期戦で頑張ります。

 

 行きつけの本屋ではマージョリー・サーナット『幸せを呼ぶフクロウ塗り絵』(2015年、マール社)を買いました。

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 海外で出版された本の翻訳版ですが、原題には『幸せを呼ぶ』の一句はありません。日本で売る為にこの一句を付け加えたのかと思われます。

 完全に好みの問題で、風雅はこういう『幸せを招く』とか『脳が若返る』といったスケベ心を刺激する本の題名を嫌っています。

「中身だけで勝負する自信がないの?」

「こんな胡散臭い売り文句に飛びつくだろうと読者を甘く見過ぎではない?」

「まさか宗教団体のフロント企業が出しているのでは?」

と見かける度に勘繰ります(そういう訳で本書も2年近く買うのを躊躇っていました)。

 幸せどころか反発を呼んでいる気がしなくもないフクロウ塗り絵ですが(笑)、どの線画も伸びやかな作風で、気持ちが明るくなります(^^)。

 こちらも早速手を着けました。
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 凧が群れ飛ぶ夜空にフクロウが羽ばたいているという謎の構図です(笑)。見た瞬間 

「久しぶりに凧揚げしたい!」

と思ったものの、昨年凧を捨ててしまったので塗り絵で楽しむことにしました。

 この本は気楽に塗っていこうと思います。

 

 上の邦書2冊の他に、韓国の塗り絵本を数冊買いました。

 こちらはまだ塗る目処がたっていない為、手を着けた時に順次ご紹介します。

 

 この場で1つお詫びを言わせて下さい。

 昨年夏のレビュー企画こと技法書・配色本レビューの続きは、執筆を断念しました。

 薄々お察しかと思いますが、理由は風雅の力量不足です。  

 書物のレビューというものは内容を紹介するだけでなく、読む価値がある本か否かをレビューの読者自身が判断しやすいように、主観・客観に基づく叙述を行うべきだと考えています(※あくまで個人の見解)。

 主観は自分の読書体験を軸に述べればいいものの、客観的な価値を測るにはお絵描きの経験値と理解が足りず、納得がいく水準のレビューが書けませんでした。

 見通しが甘かったと反省しきりです💦。

 本当に申し訳ありませんm(_ _)m 

 "レビュー企画"の看板は下ろしますが、風雅が技法書・配色本を読んで考えたこと、本自体の価値について感じることは、これからも発信していきます。

 

 さて、最後になりますが、当ブログ:塗り絵をめぐる冒険 は昨日で2周年を数え、前々回の記事で200本に達しました。 

 どちらも読者様の応援あっての達成と感じます。

 いつも読んで頂き、本当にありがとうございます。これからも不器用なりに、マイペースに制作・執筆して参りますので、よろしくお願いします。

 それでは、また(^^)/。

 

サーミ族の塗り絵と水彩色鉛筆の悩み。

 こんばんは〜♫。

 今回は"本筋"の最新作を披露しつつ、その制作中に行き合った悩みについて書きます。

 よかったらお付き合い下さい(^^)。

 

 最近、『大人の塗り絵 ヨーロッパの民族衣装編』の「サーミ族」に挑んでいました。

 友達と同時期に塗り進める"パラレル塗り絵"をしていた為、いきなり完成報告になってすみません(^o^;。

 どうぞご覧ください☟。

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画材:水彩色鉛筆、ボールペン、ダーマトグラフ

 

 画題のサーミ族は、スカンジナビア半島の先住民で、多彩なフェルトの民族衣装が知られています。

 肩掛けのフリンジにその留め具、スカートのプリーツや裾の模様と、細かい要素が詰まった線画でした。

 原画手本とは配色を変えましたが、フワッとした水彩塗りは真似してみようと途中まで頑張りました。

 途中までというのは、結局ふんわりニュアンスを伝える水彩風の塗り方では物足りず、ドライで塗り重ねて仕上げた為です(^o^;。

 

 画材は、"初期装備"の水彩色鉛筆:プリズマロ40色セットをメインで使いました。

「このタイミングで敢えて初期装備に戻ることで、何か色々発見があるかも♡」

などと淡い期待も抱いていたのですが、結果は捗々しくなく…💦

 ただ、プリズマロ(以下「マロ様」)が使いにくいことを再確認しました(^o^;。

 マロ様は本当に硬くて気難し屋…。

 硬い色鉛筆にも色々あって、コントロールのしやすいものとしにくいものに分けた時、私個人にとってマロ様は後者に入ります💦。

 他のバラ持ちの水彩色鉛筆を使えばもう少し塗りやすかっただろう、と感じます。買い足しに意味があったと確信できたことも、ある意味で収穫でしょうかね〜(苦笑)。

 

 本作品の制作過程について何も書けなかったのは、"パラレル塗り絵"をしていたからのみとは言えません…。

 実は、軽く悩んでいたのです。

ーー自分の水彩色鉛筆の使い方は、異端なのではないか?

 今に始まった疑念ではなかったものの、今回手持ちの技法書を読み返してみて「違い過ぎる…💦」と困惑しました。

 参考にした技法書は、下の2冊です☟:

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水彩色鉛筆画家:杉原美由樹氏の『はじめてさんの水彩色鉛筆 超初心者編』と『地中海からの水彩色鉛筆』(ともにマール社)。

 この2冊に収載された水彩色鉛筆画は著者の作品ばかりですが、水彩画に似た、透明感のある軽やかな印象の作品が並んでいます。

 ひきかえ、風雅が水彩色鉛筆で塗った作品といえば、「真田幸村」☟やーー

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「想い」☟といったーー

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濃く塗り込んだ作品が多数を占めています。

「杉原氏のような画風が王道ならば、自分のは邪道なのかな?」

と気になりました。

 正確に言うと、画材をどう使うかは個々人の自由なので、邪道であろうと異端と言われようと、その事自体は構いません。ただ

『自分のような厚塗りで水彩色鉛筆を使うのは、発展性がないのではないか?』

という一点が懸念されました。

 というのも、『邪道には発展性がない』という傾向は世の中で広く見られる通りです。逆に異端と見られる方法論でも発展性がありさえすれば『独自に活用している』と言える訳ですが……。

ーーこのまま水彩色鉛筆の厚塗りを続けていくことで、描きたい絵を描く道具として水彩色鉛筆を十全に操れるようになるのか?

 突き詰めるとその1点が気になり、塗りながら次第にモヤモヤ感が募りました。

 ふわり透明感のある塗り方をしてみようと思い立ったのも、この迷いによるものです。

 

 幾日か悩んだ末、今は答えが見通せない問題だという結論に達しました。

 というのも、風雅には理想とする水彩色鉛筆画がありません。他方で朧気ながら

「こんな絵を塗り上げたい」、

「こういう画風で描きたい!」、

という作風に対する理想がある状態です。

 その理想も、どちらかというと、モチーフの質感や量感が伝わってくる重厚な画風に傾いています。

 今回、水彩画っぽい作風を目指しても

「こんな描き方では納得できない!」

と感じて塗り込んでしまったことで、風雅にとって、『画材=作風を実現する手段』なのだと明確になりました。

 であれば、水彩色鉛筆で描きたい絵を描けるのであれば使い続け、どうやら無理かと思えば手を引けばいいーーと気付きました。

 という訳で、水彩色鉛筆での王道/邪道にはこだわらず、今後も好き放題塗ったり描いたりして我流の確立を模索してみようと考えました。

 

 上に述べたような経緯があり、本作品は方針からブレブレの制作過程を経て完成しました(^O^;)。

 背景が夜景にも関わらず、人物もトナカイもくっきり着色してあるのは、オーロラと雪の反射の効果を考えても現実味が乏しいですよね…。

 実はこれ、矛盾は認識しながら強行しました。

 サーミ族の民族衣装は明瞭に見せたいメインモチーフですし、他方その生活地域と言えばオーロラが特徴的なので、どちらも外せなかったのです。

 観光パンフレットの合成写真みたいなものと割り切ってご覧頂けると嬉しいです♫。

 

 サーミ族の民族衣装が終わった後から、塗りかけだったタイル図案の塗り絵を進め、こちらも完成しました☟。

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出典:"Elegant Tile Designs Coloring Book."

画材:油性色鉛筆、ボールペン、サインペン、顔彩。

 一見してイスラム圏のタイルという印象だったので、青と緑を多めにして塗りました。

 

 

 長々綴って参りましたが、本日の話題は以上です。

 文字多めの記事に最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!

 

 それでは、また(^^)/。

 

息抜きに扉を塗る日々。

 こんばんは、風雅です(^^)。

 今日久しぶりに『世界の美しい文様塗り絵:アラベスク文様』を開き、中扉のページを塗り上げました☟。

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画材:油性色鉛筆、ボールペン、サインペン、水彩毛筆。

 塗る面積が狭いのでサラッと完成♫。

 "本筋"の塗り絵(※今はサーミ族の民族衣装を塗っています)で少し煮詰まってきたところだったので、いい気分転換になりました。

 

 扉ページつながりで言うと、"Sirenes" の扉ページも今週初めに塗りました☟。

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画材:油性色鉛筆、サインペン(目元のみ)。

 チビキャラとなった人魚です。

 ミックス色鉛筆を使ったら、なかなか楽しい色合いになりました♫。

 

 気楽に塗れて、ちょっと特別感もあるので、扉ページを塗るのが実は好きです。

 いずれ手持ちの本の扉ページコレクションをしてみたいものですが、塗り絵本が増えるペースが速く、なかなか追い付きません(^o^;。

 気長に頑張ります(*´σー`)エヘヘ。

 

 以上、完成したてのページのご報告でした。

 それでは、また〜(^^)/

雪降る週末の塗り絵。

 こんばんは〜。

 あまり雪に縁のない関東南部に生息しています。雪予報も毎度外れて雨になることが圧倒的なのですが、今日は降りました❄!

 暖冬とはいえ、降る時は降るものですね。

 

 という訳で、今週の完成作品は雪のマンダラからご覧に入れたいと思います(^^)。

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画材:油性色鉛筆、サインペン。

出典:"Snowflake Mandalas Coloring Book".

 …雪らしからぬ配色ですね^_^;。

 雪の結晶マンダラは、つい青系を基調にしてしまいがちだと思い、敢えて逆らってカラフルにしてみました♪。 

 

 他の新作3点は、"横道"としてゆっくり進めてきたものばかりが並びました。

 うち1枚は海外版のポストカードです☟。

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画材:油性色鉛筆、サインペン、ポスカ。

 ジョハンナ・バスフォード氏の"Secret Garden"での実験塗りシリーズ、今回は配色本:『日本の美しい色と言葉』の有用性を検証するつもりで塗り始めました。

 同書254-5ページの『ひらひら』という配色案を参考にして、多色のパステルカラーで葉っぱを着色しています。

 ただ、これだと締まらない為、背景を黒く塗りつぶしてしまいました。

 これでも"ひらひら"感は出ているのでしょうかね…?

 

 純然たる模様塗りもしました。

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画材:油性色鉛筆、油性ペン。

出典:"Elegant Tile Designs Coloring Book."

 『黄色×赤紫』のバイカラーを基調にしたのですが、第三の差し色としてエメラルドグリーンを足したところ、黄色よりも目立ってしまいました。

 こういう時、黄色という"消える色"はままならないと痛感します💦。

 なお、彼氏に見せたところ

異世界の春だね」

と評されました(笑)。春っぽいけれども現実感の乏しい色合わせだと言いたかったようです。

「ファンタジー適性が上がったのね♪」

と喜んでいいのでしょうか……?

 

 ファンタジーと言えば…の"Nightfall"からも、1点完成しました☟。

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画材:油性色鉛筆(アーチストカラーのみ).

 この作品は、ホルベイン社の油性色鉛筆:アーチストカラーの試し塗り第1弾です。

 「とにかく触ってみよう」

と思い、様々な色を使いました。
 アーチストカラーはどことなく明るい色合いで、使い心地も重ね塗りしやすく感じられました。

 今後も別の線画で使って習熟したいと目論んでいます(*^^*)。

 

 ここ数日の活動は以上の通りです。

 まとまった時間をうまく使えず、残念ながらお絵描きはお休みでした💦。

 来週はお絵描きも進めようと考えています。いい報告ができるように頑張ります!

 それでは、また〜(*^^*)/

成人の日前後の塗り絵。

 おはようございます(^^)。

 三連休は美術展巡りに帰省もあってあまり塗り絵ができませんでした。

 しかし予告通り人物のいる線画を1点塗り上げることができたので、ご覧に入れたいと思います。

 

 出典は『平安王朝絵巻ぬりえbook』☟。

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 この本から完成作品が上がるのは、昨夏以来となります。

 今回は、貴族男性の装束を塗りました☟。

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画材:油性色鉛筆、ボールペン、サインペン。

 紙の寸法はほぼA4サイズです。

 画面に4枚並んだ布地にびっしりと文様が入っており、実質的に和柄を塗らせる構成になっているのかと思います。

 昨年夏に着手し、以後ゆっくりペースで進めていました。

 

 ご覧のように、模様はどれも細かさを極めています(笑)。特に左端のものは、色鉛筆で塗れる限界を見た気がしました💦。

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 この細かい模様をくっきり塗り表そうとした結果、非常に賑やかな配色になりました。

 

 文様部分はベタ塗りにした一方、人物は立体感を意識して塗りました。
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 彼の背後に見える牡丹の柄の布は、装束の一部で、『下襲の裾(きょ)』と呼ばれる部分に当たります。

 宮廷における文官の正装のようですが、

「仕事をする恰好ではないだろうに…」

とつい考えてしまいました…💦

 なお、下襲の裾は、位階によって色や丈が規定されていたらしいので、本作のように派手な柄ものではなかったと思われます。 

 平安時代の装束は細部が分かりにくくて毎度苦戦を余儀なくされるのですが、前日に復元衣装やジオラマ展示を見て来たかいがあったか、以前よりスムーズに塗れました♪

 

 昨日からは天平文様に取り組んでいます。

 『ぬりえ天平文様 たまゆら』の最後の1点:「平螺鈿背八花鏡」に本腰を入れることにしました☟。

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 これも細かい絵柄ですね💦。

 配色は、オレンジ×青のバイカラーを基本方針としています。

 首尾よくまとまるかどうかは未知数…^_^;。

 ともかく楽しんで塗っていこうと思います。

 

 以上、ここ数日の活動報告でした。

 それでは、また〜(^^)/

【雑談】千葉で日本画、お江戸で浮世絵。

 こんばんは♪

 今回は、企画展巡りの話です。

 この週末、美術館への初詣でをしました♪そのついでに実家にも寄りました。

 

■1/11 千葉

 初日はどこへ行ったかと言うと、千葉県は千葉港近くの千葉県立美術館。ここで開かれている後藤純男展を観て来ました。

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 後藤純男は千葉県出身の日本画家です。

恐らくその縁でこの回顧展が当地で開かれることになったのかと思われます。

 風雅はずっと名前位しか知らなかったのですが、TVでちらりと作品を観て

「こんなにいい絵を描く人だったの⁉」

と驚き、本展への遠征を敢行しました。

 

 土曜日の午後だというのに、会場は空いていました\(^o^)/。

 客層は定年退職前後世代の夫婦連れが多かったように思います。一人で来ている人も友達同士で来ている人も、総じて高めの年齢層でした。

 幸いにして騒がしい団体客がおらず、なかなか心地よく鑑賞できました。

 

 山や滝、沙漠、峡谷など、この画家の作品は大画面でこそ見応えがある画題が多いように感じます。

 実際、大画面の作品が数多く出ており、それぞれに引き込まれました。

 あまり大きな余白を作らず、近景・中景・遠景とモチーフを盛り込む画風の為か、後藤純男画伯の大作はある程度距離を空けて観るのが適していると思います。

 その意味でこの画家の回顧展をするには手狭な展示室もありました。大作は広々とした所で観たいものです^_^;。

 1984年の『雲晴れる灕江』という作品が殊に印象に残りました。

 これは峻険な峡谷を蛇行しつつ流れる夜の川を描いた作品です。大画面を見つめていると、絵の向こうからひょっこり小舟が現れるのではないかと錯覚するほど、岩山にも木々にも質量感がありました。

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 幸いにして物販コーナーで絵ハガキ(↑)があり、観覧の記念に買ってきました♪。

 閉館は16:30です。

 ギリギリまで粘り、慌ただしく会場を後にしました。

 

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 その後、近くの千葉港に立ち寄りました。

 特筆すべきものは何もない港ですが、海の眺めには癒やしを感じます。

 日没直後の空を暫し見つめ、同じ千葉市内の実家に向かいました。

 

■1/11-12 実家

 実家では、スケッチをして過ごしました。

 絵を描いていると両親が構わずに放っておいてくれるので、

「話題がないな……💦」

と思った時も楽に過ごせます(笑)。

 色鉛筆のペンケースは持ってましたが、画用紙を忘れたせいで、レポート用紙やメモ用紙の裏に描くハメになりました。

 レポート用紙は薄く、少し滑る感触がして色鉛筆画には向かないようです…💦。

 花瓶に活けてあったセンリョウを描いてみたのですが、着色し終わりませんでした☟。
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 思いがけない収穫は実家の近くに大きな文具店が開業していたこと♪。

 コピックマーカーや色鉛筆といった画材もあり、値引き率も高かったので、色々買ってきてしまいました☟。

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■1/12 有楽町

 何とも微妙な帰省を済ませ、都内の住処に戻る途中、2ヶ所寄り道をしました。

 その1ヶ所めは、東京国際フォーラム

 1/15までの期間限定で万葉集の梅花の宴や『源氏物語』の蹴鞠場面の復元展示が行われているのです。

「平安装束を立体的に見るチャンス!」

と食い付いたのは言うまでもありません。

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上のような等身大の復元衣装展示と、雛人形程の大きさの人形たちを配した場面展示とがありました。

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 何分にも古代のことですから、復元展示をそのまま鵜呑みにする訳にはいきませんが、平安装束の塗り絵をする上で非常に参考になることは間違いありません。

 美しい装束自体も魅力的で、楽しい時間を過ごせました。

 

■1/12 原宿

 古代の装束に大満足した後、有楽町からメトロの千代田線に乗り、明治神宮前で下車。

 浮世絵専門の美術館:太田記念美術館で肉筆浮世絵名品展を観て来ました。

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 第一の目玉は、葛飾応為の代表作である『吉原格子先の図』(展覧会ポスターの左上側にこの作品の左半分が使われています)。

 格子から洩れる遊廓の灯りに、まるで誘蛾灯に群がる虫たちのように吸い寄せられる人々と、それをあしらう遊女のシルエットが鮮烈です。

 明暗の対比がとにかく美しい絵でした。

 

 他の出展作品は描き手も画題も様々でしたが、美人画が多かったと記憶しています。

 風景画では、日光の滝を描いた広重の三連作が印象に残りました。

 

 ところで、肉筆浮世絵は1点もので希少価値が高いせいか、掛け軸に仕立てられた状態で展示されています。

 軸装も多様で面白いのですが、1点、

「この布地は琉球紅型じゃなかろうか?」

と思った例がありました。

 絵の保存状態に比べて布地の褪色が激しかった為、

「着古した貴重な着物の再利用だったのかなぁ…」

と空想してしまいました。

 業界関係者でも目利きでもないので真偽は検証できませんが、こういう"あってもおかしくない過去"を想像するのが風雅は好きです。

 

 以上、美術展初詣での報告でした。

 西洋の絵画展も各地で開催されているのに、今回は和ものばかりでしたねー。

 2020年も、面白くて塗り絵・お絵描きの参考になりそうな展覧会へ行くことがあれば、レポートしたいと考えています。

 よかったらまたお付き合いください。

 それでは、また〜(^^)/

【季節の塗り絵】雪と椿。

 こんばんは。

 正月気分も薄れ、すっかり平常運転となった今日この頃。

 身近に新成人もいない為、季節の印象はひたすら『寒い』の一言となってきた風雅です。

 そんな時季の風情を描いた線画を1点塗りました☟。

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出典:『和の花暦と花もよう ぬり絵ブック』。

題名:「初雪」。

画材:油性色鉛筆、ボールペン。

 

 和室に椿、窓の向こうに竹が見える冬情緒満載の絵柄です。あまりに濃厚な和の趣に

「時代劇…必殺仕事人の世界だ〜!」

と一人で盛り上がり、『やがて仕事人が現れる部屋』をイメージしつつ塗りました。

 

 本作品では、窓の外に植わっている竹をあまり濃くしないように気を付けました。

 距離がある為、そして少しずつ雪が積もり始めていることで、白っぽくなっているように見せたかったのです。

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 いつもうっかり塗り込んでしまうのですが、今回は珍しく"うっすら"程度に留められました♡。

 今まで『塗るか、塗らないで白く残すか』の加減が難しくて避けてきた雪景色の線画も、今度挑戦してみようかな、と思いました(←調子乗り過ぎ…^o^;)。

 

 さて、三連休ですね。

 寒中ではありますが、どうぞ楽しくお過ごしください。

 それでは、また〜(^^)/

【制作の記録】ブルガリアの民族衣装〈後編〉

 おはようございます(^^)。

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近作:「ブルガリア民族衣装」↑の制作話〈後編〉をお届けします。

 

 前編までの状態で、12月中旬を通して制作はほぼ中断していました。

 下塗りが終わった部分に少しずつ仕上げの着色を施すことはしていたものの、本格再開はクリスマスが過ぎてからのことでした。

 

■背景

 本格再開の日は、背景上段を塗りました。

 とにかく広い面積に着色することで「進んだ♪」という錯覚を自分に抱かせ、気持ちに楽にしようと思っての作業でした。

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 背景上段は、迷った末、黄色にしました。

 薔薇祭りが開かれる5〜6月の光をイメージしての配色です。

 ただ、黄色の発色は背景とするにはなかなか強烈な為、クリーム色を重ねて仕上げました。

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 こうして背景の地色が着いた後、背景の薔薇の葉っぱを塗り始めました。

 といっても、一気呵成に塗ることはできず、他の部分を塗る合間に1枚また1枚と塗っていくジリジリ進行です。

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 何となれば、背景の葉っぱは、葉脈を白く残しながら塗っていたのです。

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ーー褒めてなんて言わない、でも気付いて!

 そう願っていたのに誰にも気付いてもらえなかったので、ここに記しておきます^^;。

 

■人物(衣類・小物含む)

 面積の広いパーツの仕上げと、細かい部分の着色ーー再開した時、人物の各部分は"やること山積み"の状況でした。

 ここは、気になる所から気になる順に(つまり散発的に)塗り進めました。

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すなわちベールの広い部分に陰影をつけて仕上げ、ワンピースを重ね塗りで仕上げ、帽子の土台部分を紫色に染め…という具合です。

 エプロンにも手を着けます。

 エプロンの地色は暖かみのある黒色にするべく、下塗りに濃いウォームグレー、仕上げに色辞典のIvory Blackという黒色を使いました。

 意外と下塗りの色が出て、純正な"黒"とは見えなくなりました。

 …混色は面白い反面、博打です(^o^;。

 模様部分の配色は、下調べの際に目に止まっていた色を思い出しながら決めました。

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黒い地色に映える原色を多く使っています。

 ベルトのバックル部分は、原画では金属として描かれているのですが、エスニックな雰囲気を増すべく、刺繍入りにしました。

 この模様部分は、白い部分が見えないようにかなり塗り込んでいます。

 そしてエプロンとベルトは、最終的に下のようになりました☟。

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 エプロンに続き、ブラウスとワンピースの模様も着色しました。

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 エプロンと同じく、模様をくっきりと見せるように意識しながらベタ塗りしています。

 この模様を塗る工程は本当に楽しい時間でした♡。

 下調べの時、

「こんな主張の激しい配色、洋服だとなかなかできないよなぁ」

と感心した民族衣装独特の色づかいを、自分でも疑似体験している実感が湧いてきたのです。

 民族衣装の塗り絵の楽しみはこういうところにあるのかな、と漠然とながら感じました。

 

 なお、制作中ブラウスの袖に1ヶ所、消しゴムをかけた時に色が移ってしまいました。

 消しゴムで綺麗に消せない為、濃い水色の色鉛筆で急遽蝶を描き込み、隠蔽しました。

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 蝶々の描き込みをする頃には、ベールの先端も既に完成していました。

 幾何学模様にフリンジと、ベールの先端は意外と難儀な部分で、フリンジの細さを表現し切れなかったのが残念です💦

 

■薔薇🌹

 この気ままな制作手順を採った結果、最後に残ったものはーー多数の薔薇でした。

 12/31 18時台の画像で、背景の薔薇も籠の中身も頭部の飾りも、ほぼ手つかずで残っています☟。

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 お察しかと思いますが、薔薇の花を塗るのが苦手です💦💦。線画を見ているうちにどこが花びらの表で、どこが裏なのか分からなくなってきてしまうのです💦。

 よって今回、最終局面の薔薇尽くしは、さながら"薔薇地獄"でした…(;´Д`)。

 ただ、思わぬ助っ人がありました。薔薇の香りの室内スプレーです。数年前に買ったまま、殆ど使わずに放置していたものでした。

 このスプレーで部屋の中に薔薇の香りを充満させ、

「ここはブルガリアの薔薇の谷、ここはブルガリアの薔薇畑…」

と念じながら一気呵成に塗りました。

 ラストスパートでテンションが高い為、軌道に乗れば集中して塗れるのが強みです。

 問題は苦手のモチーフだと軌道に乗せるのに手間取りがちなことですが、今回は薔薇の香りのスプレーのお蔭で乗り切ることが出来ました♪。

 

 背景の薔薇はダマスクローズを念頭に置き、ピンク色にしました。ベールの色と重複すると画面が単調になる為、ベールよりも濃いピンクにしています。

 一方、籠の中の薔薇と頭部の飾り(※これは薔薇の花を模した布製のものと思われます)は、"寄せて集めた感"を出したかったこと、背景の薔薇と趣を変えたかったことにより、カラフルになりました。

 

■まとめ

 前章までの工程を経て、本作は完成に至りました☟(※記事冒頭の画像の再録)。

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 多少の失敗やアクシデントはあったものの、概ねイメージしたテイストで塗れたので及第点としておこうと思います♪。

 

 以上、今年最初の作品について制作の記録をまとめてみました。

 多少ともお楽しみ頂けたら幸いです。

 それでは、また〜(^^)/ 

"Elegant Tile Designs Coloring Book"完成作品ギャラリー①

 こんにちは。

 タイル図案の洋書の塗り絵本:"Elegant Tile Designs Coloring Book"☟の完成作品ギャラリー第1弾をお届けします。

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 昨年秋から最近にかけて制作した4点を制作順に並べました。


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画材:油性色鉛筆、サインペン。

 

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画材:油性色鉛筆、サインペン、ボールペン、メタリックマーカー。


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画材:油性色鉛筆、ボールペン、メタリックマーカー。

 2019年クリスマス用に塗ったものです。


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画材:油性色鉛筆、サインペン(枠線のみ)。

 

 以上です。

 画像があまり綺麗でなくて申し訳ありません💦(上手く撮れたら後日差し替えます)。

 ご覧頂き、ありがとうございました。

年始の塗り絵。

 こんばんは〜、風雅です。

 年が改まって最初の月曜日ですね。

 元旦夕方以降昨日までに塗り上がった作品をご覧に入れたいと思います。

 

 1つめはタイル図案の塗り絵です。
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画材:油性色鉛筆、サインペン(枠線)。

出典:"Elegant Tile Designs Coloring Book."

 

 もう1点は和柄です。
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画材:油性色鉛筆、サインペン、ボールペン、メタリックマーカー。

出典:『京のみやびな和柄』。

 

 タイルのほうは12/30に、和柄は元旦に着手しました。

 1/2、この2点を同時進行したところ、快調に進みました。"同時進行"の内実とは、片方を10〜20分程度塗り続けたらもう片方に移るというものです。

 タイル図案のほうはその晩に仕上がり、和柄のほうは数日間じりじりと塗り続けて完成となりました。

 明らかに同時進行のほうが進む謎…^^;。

 なお、和柄はお正月用のつもりで塗りました。

 "明るくめでたく"の方針で進めており、お気づきでしょうか、青と黒は殆ど使っていません。また、彩度の低い色も少なくしました。

 結果、予想以上に賑やかムードの和柄となりました。

 宝相華のモチーフを選んだり背景に紫を用いたりと、当初は格式を意識したつもりだったのですが…うっかりお正月の宴会気分を表現してしまったようですね〜(^o^;。

 

 そういう訳で、年末年始の後半は文様系を塗って過ごしました。

 今年は立体感や質感の表現力を磨くのを目標としているので、来週の活動報告では人物もご覧に入れられるよう頑張ります♪

 それでは、また。