こんばんは。
今回は塗り絵本のレビューを書きます。
対象の本は、"Celtic Mandalas Coloring Book"という洋書のマンダラ塗り絵本です。
レビューを書く事自体が久しぶりで、以前と形式やスタイルが異なる点もあるかもしれませんが……気にせずに読んで頂けたら嬉しく思います(^^)。
■基本的なこと
マンダラのみ31点収載の洋書です。
著者:Cari Buziak.
発行年:2017年.
片面印刷です。
切り離しやすくする為か、粗いミシン目が入っていますが、あまり過信しないほうが無難かも…(※体験談^_^;)。
切り離す場合は丁寧に取り扱うことをお勧めします。
◇特色◇
・片面印刷
・付録なし
・インデックスなし
・着色見本:数点のみデジタルで掲載.
■内容について、忌憚なく。〜特にケルト性とマンダラ塗り絵としての完成度について〜
本書収載のマンダラは円形のものが多く、ケルト風のモチーフや装飾要素に満ちています。
絵柄の抽象度は、具象と抽象が半々程度といった印象を受けました。
※8/9現在で塗りかけの線画の中央部分。
「ケルト風のモチーフとは?」
と言えば、まず挙がるのが組紐文様です。
組紐のモチーフ自体はケルト文明の専売特許ではありませんが、ケルトの組紐文様には、起点と終点がないという特徴があります。
それが何を意味していたか真相は知るべくもありません。
「永遠の象徴だった」
という見方もあるようですが、個人的には胡散臭い説と感じております。ケルト人の歴史や文化が詳細に分かっていない為に、ロマンを感じたいファンや神秘主義者の期待が膨れ上がったのではないか、と(^o^;。
確かなのは、ケルト人がその文化遺産に多種多様な組紐文様を用いたということ、ケルト風の組紐文様が幾何学的な文様である為に今日のデザイナーにも制作・編集可能ということ。
組紐文様の他には、連珠文や動物・人物のモチーフも見られます。
それらを合わせてケルト風の文様やモチーフをマンダラの形状に整えた"ケルトもどき"のマンダラ塗り絵が、本書の内容と理解されます。
○○もどきと呼ぶと、オリジナルでないという意味で印象が悪いかもしれません💦。
しかし、ケルト風の装飾文様に少し親しんだり塗って楽しんだりする目的であれば、デザイナーが整えてくれたもののほうが有用かと思います。
反対に、
「正真正銘ケルト人が遺した原典そのままのケルト文様が見たい!」
という向きには、本書はあまり価値がないと思われるので、お薦めできません💦。
もう1つ、マンダラ塗り絵としての出来はどうか、という点が気になる方も多いと思います。
というか、塗り絵本のレビューとしては、こちらが大事かもしれませんね(^o^;。
主観的な価値判断を先に述べると、本書はマンダラ塗り絵の本としてなかなか良く出来ていると感じています。
風雅の価値判断が塗る時の面白さや見栄えに偏っている点を踏まえれば、『塗り応えがある』と言い換えても差し支えありません。
線画の多くは、一見した時に親しみやすく感じられるものではありませんが、文様をじっくり眺めながら色を着けていくと、出来上がる頃には「何か分かったかも!」という感覚が得られます。
多くの線画は立体感が薄く、少なくとも半数程の線画はベタ塗りでも楽しめる印象です。
また、幾何学的な文様が中心的な為、配色の自由度も高いと言えます。
一方で、本書に即効性の癒やしを期待すると拍子抜けするかもしれません(^o^;。
ここ数年の塗り絵ブームに関連して
『マンダラ塗り絵≒癒やしとなる塗り絵』
と、マンダラの癒やし効果はあたかも自明の理のように強調されていますが、制作中に包み込まれるような優しさを感じたことは一度もないのです(^o^;。
ただ、楽しく頭を使えている実感はあります。それを癒やしと呼ぶのであれば、癒やし効果がないとは言えないのかも(笑)。
■紙質について、分かる範囲で。
線画のページに使われている紙は、滑らかなオフホワイトの紙です。
やや厚めの上質紙といった印象ですが、正確なところは分かりません。
画材については、油性色鉛筆、水性サインペン、ボールペン、POSCA、メタリックマーカーは概ね問題なく使えました。
水彩色鉛筆に水筆を使ったり、顔彩を使ったりすると、その部分だけ幾分うねります。
あまり水分に強い紙ではないのかもしれません。
■着色例
既に公開した作品ですが、着色例として3点を載せておきます。
画材:油性色鉛筆、ボールペン、サインペン。
画材:水彩色鉛筆、油性色鉛筆、ボールペン、サインペン、POSCA。
画材:油性色鉛筆、ボールペン、サインペン。
他のページの着色例も見たい方は、下の記事もどうぞ。
■終わりに
以上、"Celtic Mandalas Coloring Book" についてお伝えして参りました。
読者様のご参考になれば幸いです♡。
今夏は、連続レビュー企画を打ち出しても定期的にレビューをまとめるのは難しい見通しです💦。
そういう訳で連続企画としての『夏のレビュー企画』は見合せますが、風雅が持っている本でレビューを読みたい本があれば、本記事のコメント欄にご記入ください。
それでは、また〜(^^)/